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自動車デザインを専門とするオランダの企業「LM Creations(LMクリエーションズ)」が、BMWのRシリーズ(R60、R65、R75、R80、R90、R100)をEV化させるための「R00 EVキット」を開発していることが分かりました。
このキットは、車両の外観を損ねることなくボルトオン取り付けを可能としており、2023年に納品開始予定となっています。また、現段階で前払い予約することでROEG製ヘルメットがもらえるキャンペーンも実施中ですので、いち早くEV化の波に乗ってみるのはいかがでしょうか?
BMW Rシリーズを電動バイクに変えられる「R00 EVキット」
R00 EVキットはクラシックカーのVWビートルやミニクーパーのEV化からヒントを得て開発されました。
クルマをEV化する場合は、ボディ内にEVパワートレインを隠すことができるので、外観を損ねることなくいかようにも改造することができます。しかし、バイクの場合は、エンジンが剥き出しになっているので、いかに純正のスタイリングを崩さずにEV化できるかが肝となります。
そこで、LMクリエーションズが真っ先に目をつけたのが、カスタムシーンでも高い評価を得ている「BMW Rシリーズ」。ギアボックスとバイクのエンジン特性を維持させるため、既存のクランクケースに代わるコンポーネントを設計し、ビジュアルはほとんどそのままでEV化させることに成功しました。
パワーユニットは、最高出力20kWを発揮する72Vモーターを採用。クラッチアダプターは、オリジナルの内燃機エンジンと同様にギアボックスにボルト固定されており、アルミボディにすっぽりと収納されます。また、コントローラーと12Vアクセサリー配線用のDCコンバーターも付属しています。
さらに、モーターの回転数はオリジナルエンジン(8,000rpm)と遜色ない7,500rpmをマーク。もちろん、出力カーブは内燃機とは異なりますが走行性能も非常にスムーズ。ギアボックスは機械的な走行設定としても機能します。
バッテリーパックのスペースを作るためにトップチューブの電動マウントブラケットを取り外すなど、モデルにより多少追加でカスタムが必要な場合があるものの、キット内容には取り付け動画が付属されているため、全くチンプンカンプンとはならないでしょう。言語の壁こそあれど、映像を観るだけでもある程度の知識と経験をお持ちの方であれば比較的簡単に取り付けられるのではないでしょうか。
なお現在、EV化にあたっての認定は受けていませんが、本国で取得予定となっているため、将来的にはEVバイクとして登録するための書類作成も可能になるかもしれません。(つまり、現段階では日本国内の公道では走れませんのでご注意下さい)
航続距離80kmを実現するオリジナルのバッテリー
4.3kw/72Vのリチウムイオンバッテリーは、オリジナルの燃料タンクのようにフレームにマウントされます。バッテリーの重量は約24kgで、R80の22L燃料タンクの重量よりも少し重い程度。また、航続距離は約80kmで、充電回数は約2,000回となっています。
また、充電器は2つのオプションがあり、1.8kwバージョンと3.3kwバージョンから選ぶことができます。どちらも230Vの充電器で、3.3kwのタイプは1時間で80%まで充電でき、さらに1時間でフル充電が可能な急速充電バージョンです。1.8kwは2時間で80%まで充電し、さらに2時間で100%まで充電します。
バッテリーカバーはFRP素材なので塗装をすることもできます。 もちろん、オリジナルのタンクを改造して、バッテリーカバーとして装着することも可能ですが、その際はタンクに非伝導性の材料を敷くことをオススメします。
R00 EVキットの詳細
対応 | BMW Rシリーズ(R60、R65、R75、R80、R90、R100) |
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パワーユニット | 価格:3,950ユーロ(日本円:約56万円) |
バッテリーパック(4.3kw/72V) | 価格:4,550ユーロ(日本円:約65万円) |
チャージャー(1.8kw) | 価格:950ユーロ(日本円:約13万5,500円) |
チャージャー(3.3kw) | 価格:1,450ユーロ(日本円:約20万7,000円) |
ポリファイバーカバー | 価格:550ユーロ(日本円:約7万8,500円) |
BMW 11kw EVキット (4.3kwバッテリー&1.8kw充電器) |
価格:8,950ユーロ(日本円:約127万6,500円) |
BMW 11kw EVキット (4.3kwバッテリー&3.3kw充電器) |
価格:9,450ユーロ(日本円:約134万8,000円) |
※キット一式をご注文の場合、€950(日本円:約13万5,500円)の割引があり
※価格は送料及び諸税を除いたものです
要望に応じてカスタムメイド(別途費用)も可能とのことなので、自分に合ったスペックを求めているのであれば、気軽に相談してみるといいでしょう。
BMW Rシリーズに取り付けた場合、この様なイメージになります。配線類は一箇所にまとめられ、シートやタンク下がスッキリとまとめ上げられています。そして、肝心のエンジン部も魅力な造形を保持したまま、EV化できるという訳です。
ご覧の通り、キャブレターやオイルタンク、マフラーなども取り除かれているので、極限までシンプルに仕上がっています。
しかも、BMW Rシリーズ以外にもモトグッツィ、ヴィンテージトライアンフ、ハーレーダビッドソン、ウラルなど様々なメーカーのバイクもEV化させることが可能とのことなので、気になった方はLMクリエーションズに問い合わせてみてはいかがでしょうか。