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1980年代から1990年代にかけて製造・販売されていたBMW K75は2020年現在、3気筒エンジンを搭載したBMW最後のバイクとして知られている一台です。
そんなレトロなBMWのマシンもヴァージニア州のカスタムバイクショップ industrial Motoの手にかかればアッという間にスタイリッシュなバイクに大変身!
GEISTと名付けられたこのマシンは、レトロとモダン、オンロードとオフロードといった相反する属性をうまく両立させています。ファッションの一部としてみても映えるほどのカッコよさです。
醸し出されるオトナの余裕や高級感
こちらがindustrial Moto製作のカスタムバイク GEISTです。ガンメタルと艶消し、艶ありのブラックを基調としており、無骨さの中にもどこかオトナの持つ余裕や高級感を兼ね備えたスタイルとなっています。なんだかハードボイルドな雰囲気が漂っていませんか?
ちなみにタイヤはドイツ ハイデナウ社のデュアルスポーツタイヤK60をチョイス。オンロードはもちろん、ちょっとしたオフロードだって連れ出せる仕様になっています。
GEISTのベース車両となってた1994年式のBMW K75はこちら。完成したGEISTと見比べるともっさりしているように感じますが、燃料タンクやエンジンカバーに載っているBMWのエンブレムやロゴの存在感はこちらの方が上です。オリジナルデザインの妙といったところでしょうか。
レトロとモダンが調和したハンドル周り
1994年式のバイクということもあり、もはや旧車の部類。機能性や安定性を考慮してカスタムするならハイテックな方向に振り切ってしまいそうなものですが、車両本来が醸し出すレトロさを活かしつつ、ミニマルモダンなイメージをうまく取り込んでいます。そこで注目したいのがハンドル周りです。
ハンドル周りを一言で言い表すのであれば「究極のシンプル」。自転車の延長線上といってもいいくらいスッキリと簡素化しているにもかかわらず、かといって機能性がまったく無視されているわけでもありません。
ハンドルバー中央部にはドイツの高級メーターとして知られるMotogadget製のMotoscope Proというデジタルメーターを装備しています。どこか70年代レトロなデジタルウォッチを想起させるデザインですね。ギアのロゴもワンポイントとしてオシャレです。
シートにはスタイリッシュで渋みのあるデザインを数多く揃えているTuffside製のものをチョイス。ダイヤモンド・スティッチ入りのこのスリムなシートでバイクをよりスマートに映し出しています。ハンドルグリップのデザインもダイヤモンド・スティッチで統一感バッチリです。
流用パーツの組み合わせが絶妙
GEISTの製作にあたっては、日本車の純正パーツがいくつか流用されている点にも注目です。フロントフォークとフロントキャリパーには2008年式 ヤマハ YZF-R1のパーツを、そしてフロントホイールとリアホイールには1992年式 ホンダ CB750 ナイトホークのキャストホイールが採用されています。
ところで写真をよくよくみると、後輪のあたりにチェーンが見当たらないことに気づいたでしょうか。それもそのはずで、ベース車のK75は、トラブルが少なくメンテナンスフリーなシャフトドライブを純正で採用しているからです。ですが、今回使用したリアホイールのドナー、CB750は普通のチェーンドライブ車。伝達系が違うのだからそうカンタンに流用できるものではありません。実現させたindustrial Motoの技術力が感じられる部分です。
ファッション感覚で乗りたくなるレトロモダンバイク
ファッション性も走破性も兼ね揃えた、まさにデュアルパーパスバイクなGEIST。とはいえ、本格的なオフロード走行だとたちまち泥だらけになってしまいそうですし、これだけキレイに仕上げたら街乗りでカッコいい自分を満喫したいところです。ちょっとフォーマルなスリーピースで乗っちゃうなんてのもアリかも?