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一見するとレトロなカフェレーサーのようにも見えるこのバイク、でもよく見てみるとエンジンがかなり大きくありませんか?
それもそのはず、このバイクはアメリカのカリフォルニア州に在住のマイク・ラファウンテンさんが、ホンダの名車CB750Fourを完全レストアし、そのままカフェレーサーにカスタムしてしまいました!
このCB750カフェレーサーは、アルミパーツが細部にまで使用されており、かなりピカピカに磨き上げられているこのバイクは直キャブ仕様にもなっており、徹底的に無駄も取り外されてノーマルよりもかなり速く走ることもできます。
見た目も走りも進化させたCB750Fourのレトロカフェレーサー。ちょっと詳しく見ていきましょう!
レトロな見た目を再現するために他のバイクの部品を流用
今回ご紹介するCB750のフロントのドラムブレーキは、スズキのGT750というバイクのものを流用しており、CB750はもともとディスクブレーキであったものを、あえてクラシックに見せるためにドラムブレーキを採用したというほど手が加えられています。
また、ガソリンタンクは1984年のスズキGS400Sというバイクのものを使用しています。ホンダのロゴが描かれているため、CB750のガソリンタンクってこんなにも角ばっていたっけ?と一瞬目を疑ってしまうでしょう。
しかもこのガソリンタンクの固定方法もまたおしゃれで、皮のベルトをステム周りから伸ばして1本のバンドのように留めています。レトロなバイクには不思議と皮製品が似合いますね!
ベースとなっているCB750Fourはどんなバイクなの?
カフェレーサーのベースとなるCB750Fourは、大型の世界市場を見据えて1969年に開発されました。当時ホンダの大型バイクといえば2気筒のCB450でしたが、このままでは外国のバイクに太刀打ちできませんので、その要求に応えるために全く新しいバイクが必要だったのです。
そのためCB750Fourは、
- 世界初の量産4サイクル4気筒バイク
- 世界初の前後ディスクブレーキの採用
- 世界初の時速200km以上
と3つの世界初を達成し、圧倒的に先駆けたバイクとなりました。その後、各メーカーがホンダを追い越せと言わんばかりに次々にCB750に対抗するバイクが開発されることに。
この時国内メーカーのバイクは日本国内にみならず、海外での評価も高まり続け、社会現象でもある「ナナハンブーム」を引き起こします。さらに日本国内メーカーの国内仕様で排気量の上限は750ccまでと自主規制を作るまでに発展していきました。
ちなみに、ナナハンブーム初期はヘルメットの着用義務がなかったため、ノーヘルでCB750に乗っていた人もたくさんいたんだとか……!今で考えると危険すぎてゾッとしますね。
また、初期のCB750が圧倒的に性能が優れていたことを示すエピソードがあります。新車の発表の前にモデルに向けプレスリリースされたCB750は輸出用であったため、メーターがマイル表示となっていました。
バイクに試乗した人の半分はキロ表示と間違っていたそうで、メーターで100の数字を出した時に「時速100kmとしては早いようだけど……」と思って走行していたら、実は時速100マイル(=時速160km)だったそうです。
時速160kmでも全く気付かず乗っていたのはエンジンパワーや車体のバランスがしっかりしていたという証拠でもありますね!今でも排気音やズッシリはみ出したエンジンが圧倒的な存在感を醸し出しています。
カフェレーサーカスタムはCB750の心臓部の存在感をさらに引き立てる
話を戻してもう一度カフェレーサーカスタムされたCB750を見てみると、アッパーカウルが取り付けられ、車体自体はスリムに作られているのがわかります。さらに小さなアッパーカウル内に収めるメーターもコンパクトに設計されています。この部分の製作が最も大変だったようで、製作に1ヶ月ほどかかったそうです。
車体がコンパクトにまとめられていると、大型の4気筒エンジンの存在感がかなり強調されます。前から見ると、結構はみ出ているのがわかりますね!
しかしこれこそがCB750であるとも言えるため、開発したマイク・ラファウンテンさんは相当なCB好きなのでしょう!これだけ作り込まれていると博物館に展示されてもおかしくないレベルですのでぜひ今後の作品にも期待しましょう!