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1978年に登場したホンダ「CBX1000」。唯一無二の空冷直列6気筒DOHC 1,000ccエンジンを搭載したことで知られる市販車であります。エンジンの存在感は圧倒的で、また当時としては凄まじい105PS@9,000rpmというハイパワーを誇ったものの、車体回りがそのパワーについて行けず……名車とはちょっと違った扱いを受けております。
今回は、そんな「CBX1000」にターボを搭載してしまったというお話です。
個性派カスタムで知られるオランダの「Rno Cycles」
制作者はオランダのカスタムビルダー、RNO CYCLES。写真は代表のArno Overwell氏。お名前の先頭のAを取ったのがショップ名なんですね。優しそうで知的なお顔立ちとは裏腹に、RNO CYCLESが制作するカスタムバイクは、なかなか個性的なことで知られています。
そういう意味では、今回ご紹介する「CBX1000」ターボもまた、らしさに満ちている一台といえるでしょう。
CBX1000の弱点を徹底対策!
さてさて、いよいよカスタムバイクを見て行きましょう。一見すると、割とありがちな「CBX1000」ベースのカスタムバイクにも見えます。
当時から「CBX1000」の弱点と言われていた車体回りの脆弱さは、完璧に対策しているようです。
フロントフォークにはブッ太いオーリンズ製倒立タイプをチョイス。が……実はコレ、アプリリア「RSV Mille」用。前後ホイールも同車両から流用しています。
ブレーキについては言及がありませんがブレンボっぽいですから、これまた「RSV Mille」からの流用と考えて良いでしょう。足回り一式を換装する流用カスタムは効率的でありながらコストパフォーマンスが高いんです。トリプルツリーの加工さえハマれば最高の手段といえましょう。ちなみにスイングアームはホンダ「CBR1000」用を加工して搭載しています。
残念ながら詳細は不明ですが、フレーム本体も各部に補強が施されています。これで車体は完璧!どころかオーバースペックではと感じた方もいらっしゃると思うのですが……そうではありません。
CBX1000にターボを搭載!
なんと、ターボを搭載しているのであります!割とその界隈では一般的なATPことAmerican Turbo-Pak製品をベースにRajay製品でモディファイを加えたもの。
このATPターボを「CBX1000」に搭載する、という手法は本車両が普通に走っていた1980年代に普及していたもの。特別に言及されているわけではありませんが、もしかするとArnoさんが当時憧れていたキットを搭載してみたのかも知れません。
外装はハイセンスにまとめている!
ガソリンタンク&シートは純正を加工してオリジナルペイントを施しています。なのでコレだけ派手にカスタムしていても違和感がないのです。
またフロントには、ゼッケンプレート風味のマウントにLED製ライトを搭載しています。ホンダ本社がコンセプトモデルに採用している手法を取り入れているのでしょうか?これまたハイセンス!
ということで、「CBX1000」の車体を徹底的に対策してターボを搭載した本カスタム車両ですが……その実、作業は実に丁寧かつ理に適っていて……ハイセンスな1台といえましょう。ナイスカスタムであります!