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2019年の現在、バイク上でのスマホ利用はごく一般的なことになっています。
しかしながら、Bluetoothでの走行中のハンズフリー通話と待ち受け程度であればまだしも、ツーリング行程で常時ナビ起動していたり音楽を聴いていたいということになると、本体電池だけではとても容量が足りず、かといって休憩中に充電するにも利用できるコンセントの有無や時間といった問題があります。
そこで通常はバイクから電源を取り出して給電・充電しながらの使用となるのですが、適宜利用できる電源を引いておけばスマホ・携帯のみならず、デジカメや車載カメラ、ナビ、電熱ウェア、(複数車両乗せ換え用にコネクタ加工した)ETCといったものへの給電も可能となります。
今回の記事ではその様々な方法と、それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
バッテリー直接配線
バッテリーに直接給電ポートを配線する方法です。
メリット
- 配線が単純明快で至極簡単
- 車両側の機器(ライトやウインカー等)の使用による電圧降下の影響が少なく、電源として安定している
- 接続機器の利用による電圧降下で車両側の機器動作に影響を与えにくい
- 休憩中の充電等、エンジン停止時にも電源として使用可能
デメリット
- エンジン停止時に、オンオフの機能のない / オフ状態で暗電流のある機器を接続したまま忘れているとバッテリーがあがることがある
- バイクから離れての駐車中の転倒や悪戯等による、短絡事故に至る可能性が他の方法よりも高い
ACC電源からの分岐配線
アクセサリー電源(メインキーONにすることにより電流の流れる線)から分岐させて配線する方法です。
メリット
- エンジン停止(メインキーOFF)すると連動して電源もオフとなり、バッテリーあがりの心配がない
- バイクから離れての駐車中の転倒や悪戯等による、短絡事故に至る可能性がバッテリー直結よりも低い
デメリット
- 配線に若干の知識と下調べが必要
- 分岐元の機器(ライトやウインカー等の車体アクセサリー)によって電圧降下が起きる場合があって電源として不安定
- 電源の取り出し位置によっては、接続機器利用による電圧低下で車両の機器動作や電子制御に影響の出る場合があり
- 休憩等の駐車中等でメインキーOFFの状態では給電不能
継電器を併用したバッテリー直接配線
上項のバッテリー直結とACC電源分岐とそれぞれのメリットを残しつつ、デメリットを潰していく対策がこちらの2015年時点での過去記事にあります。
継電器(リレー)によりメインキーON(ACC電源の起動)を感知して、自動でバッ直配線をONにさせるという仕組みです。
記事中で電圧降下によって起こり得る不具合についても触れられています。
メリット
- エンジン停止(メインキーOFF)すると連動して電源もオフとなり、不注意からのバッテリーあがりの心配がない
- バイク側の機器(ライトやウインカー等)の使用による電圧降下の影響が少なく、電源として安定している
- 接続機器の利用で車両側の機器動作や電子制御に影響を与えない、与えにくい
- バイクから離れた駐車中の転倒や悪戯等による、短絡からの事故の可能性がバッ直よりも低い
デメリット
- 配線に若干の知識と下調べが必要
- 休憩等の駐車中等でメインキーOFFの状態では給電不能
この方法により、ほとんどのデメリットは潰れるのですが、エンジン停止中には使えない(充電のために余計な車体アクセサリーもオンになるため、バッテリーの消耗を考慮すると使い辛い)といったデメリットは残ってしまいますので、任意で通電可能にするためにはリレーのコイル側をバイパスする形で手動スイッチを追加設置する必要があります。
最近の給電ポート
少し前までの給電ポートは「とりあえずUSB電源として使える」といったものが多く、スマホそのものが高性能化で消費電力が増えたこともあって、ナビアプリを起動したままであったり、またアクションカメラを撮りっぱなしといった使い方では、給電を消費が上回ってしまい電池切れといったこともままありました。
しかしながら近年では、
- 電流容量のアップ(急速充電にも対応)
- 給電ポート本体にスイッチを備えており、バッテリー直結配線していても任意に通電のオンオフ可能
といったものが増えており、上項で挙げている車載電源として使用する上での様々な問題がほぼすべて解決されるとともに、用途次第での選択肢と最適な取り付け方法の幅が増えております。
もっとも筆者の場合、家での駐車保管時は常時フロート充電器を接続するために、シガーソケットもついている給電ポートを受電口としても使っているため、スイッチ意味なしの常時バッ直状態だったりもしますが…… これも幅といえば幅でしょう。
その他スマホをバイクに取り付けるためのホルダーに給電ポートが一体化されて、ハンドルまわりの見た目がスマートに収まるものもあります。
モバイルバッテリー
給電ステーションの進化と同様に、モバイルバッテリーもより小型軽量・大容量・低価格の方向に進化し続けています。筆者も25,000mAhの大容量モバイルバッテリーを使用していますが、スマホを5回分ほどフル充電できるので中々持ちがいいです。
バイクでの利用にどの程度有効か…… は不明ながら、太陽光発電による充電を併用できるものもあるようです。
容量での制限は受けてしまいますが、電源まわり(発電能力、電流容量)が弱い / 不安のある 旧車や、美観の上でハンドルまわりに異質で余計なものを常設したくない場合に、タンクバッグ等にモバイルバッテリーを入れておいて使うという方法で、バイク側にかかる負担や不安を回避しつつ各種機器を運用することができます。
「バイクから」ではなくなりますが、機械いじりに自信がない方は無茶をせずにこちらを選びましょう。無理ダメ絶対。
まとめ
このように使用する機器の進化に伴い、それを支える機器や器具も目立たないながら日々進化しています。
スマホやカメラを給電しながら使っているのに電池切れが多発するといった人は、給電容量と消費電力を調べてみて、電源の更改を検討してみてもよいのではないでしょうか。