この記事の目次
空冷ボクサーエンジンを搭載するBMWの現行ネイキッドバイクR nineT。カスタムベースとしても人気を博しているこの1台を本場ドイツのカスタムバイクショップHookie Co. がマットなカフェレーサーに仕上げました。ハードなスタイリングに注目です。
往年のレーサーレプリカの姿が重なるスポーティーで攻めたデザイン
カウルは装着されていないものの、1980~1990年代にかけて一時代を築き上げたホンダ NSR250やヤマハ TZR250といったレーサーレプリカバイクが醸し出していたスポーティーでアグレッシブな雰囲気に似たものを感じます。
ライダーを自然と前傾姿勢にされるセパハンが採用されてシートも1人乗り。エッジの効いたボディもクールです。サイレンサーが純正品よりもショートになったことでリア周りがスッキリしてホイールの存在感を増しています。
元のR nineTはこの通り、スタンダードなネイキッドらしいシンプルなデザイン。
これはこれでポジションも相まって、ツーリングを快適に楽しめそうですが、カフェレーサー化にあたって元のスタイリングの面影はほとんどありません。強いて言えばボクサーエンジンとホイールくらい。
こうして見比べて見ると、優等生っぽいベースのR nineTに対して、カスタム後のCOBRAはハードボイルド小説の主人公みたいな強靭さを感じさせます。カフェレーサーらしい割り切ったポジションもその印象を強めていますね。
意外なところにバイカーフレンドリーな工夫が
リアテールは純正よりも超ショート化。フレームとカウルの間に除く内蔵式テールランプがダークなカッコよさを引き立てています。素材感も相まってどこか近未来感もアリ。
ワンオフのタンクカバーには膝でホールドしやすいように段差がついており、見た目だけでなくバイクの扱いやすさもしっかりと考えられていることがわかります。ブラックアウトされたタンク周りと対比するかのようなシルバーのトップブリッジは混沌の中にある一筋の光のよう。人間の二面性を表しているのでは、なんていうのは筆者の考えすぎでしょうか。
ここまでのハードさとは打って変わって、ハンドルにはヒーター機能付きグリップが装着されています。ハードボイルドな見た目にそぐわず、オーナー思いな一面もあるのです。
5つの異なるスタイルをラインアップ
面白いことに、ただのカスタムかと思いきやコンプリートモデルとして販売されています。フェンダーやテールカバー、そしてヘッドライトなどのカラーリングが異なる5種類のスタイルから選べるのもうれしいところ。一部、タンクやエアフィルターの色にも変更が見られます。
マットなものから華やかなものまで、ベースとなるマシンが同じでもちょっとしたカラーリングとパターンを変更するだけで印象がガラッと変わりますね。細部にこだわってこそ違いのわかる男ってもんです。
切れ味鋭いカフェレーサー
レーシングマシン譲りのキレッキレな性能に、高性能ゆえの危険な香りがした全盛期のレーサーレプリカバイクの姿がどこか重なるHookie Co. のR nineT。こういうバイクを所有していたら自然とオーナーの雰囲気や心持ちもバイクのようにカッコよくなりそう。やはり男として生まれたからにはハードボイルドを目指すべし!