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オーストラリアの有名カスタムショップ「PURPOSE BUILT MOTO」が、1981年製のホンダ・CBX1000をベースに、モダンテイスト溢れるカフェレーサースタイルへとカスタムしました。それでは早速、フォーライドでお馴染みのPURPOSE BUILT MOTOが手がけたカスタムマシンを見ていきたいと思います!
CBX1000 Cafe Racer
CBX1000カフェレーサーを制作するにあたって、まずカウルやサイドカバー・シートカウルといった外装品を全て取り払うところからスタートしました。
なお、ホンダ・CBX1000といえば、並列6気筒のエンジンを搭載したハイパフォーマンスなフラッグシップモデルであり、日本市場ではなく主に北米や欧州への輸出向けとして発売されたモデルです。カッコ良すぎて時代が追いつかなかったのか、4年という短命な生産期間でしたので、その希少性も重なり中古車価格は250〜400万円と非常に高額で取引されています。
話をカスタムに戻します。スイングアームはアプリリア・RSV4の純正パーツ、フロントフォークはスズキ・ハヤブサの純正パーツといったように、高性能な純正パーツを流用することで、コスパ良くカスタムと高性能化を実現しています。
また、徹底的なライトウェイト化にも取り組み、カスタムパーツの素材にこだわることで約50キロも軽量化に成功。このルックスで乾燥重量は約228kgですので、取り回しも非常に容易となっています。
ヘッドライトやウインカーなどの灯火類はLEDにアップグレードし、エンジンの上部にはLEDフォグランプを左右に配置しています。
ハヤブサの純正フロントフォークは、意外にもトリプルの小加工のみでスムーズに装着できたようで何の違和感もありません。
ビルダーに”ビースト”と言わしめた高出力の並列6気筒エンジンは、カスタム前にフルオーバーホールが施されています。
外装のネイキッド化に伴ってエアクリーナーボックスも撤去したことにより、CRキャブレター&DNAフィルターへと換装。これにより、パワフルな走りが期待できるだけではなく、CBX1000の野暮ったさを払拭することにも成功しています。
純正のガソリンタンクから水平になるように取り付けられたシート&リアカウルのホリゾンタルラインが美しいですね。そして、この車両のベースカラーはマットグレーで、アクセントにオレンジのラインが随所に落とし込まれており、疾走感溢れるスポーティーなデザインとなっています。
ウィンカーやテールランプといった灯火類は、車両全体の雰囲気を崩すことなく極力コンパクトに納め、かつ必要最低限の機能はきちんと備えており、並々ならぬビルダーのこだわりを感じます。
また、シート下のエアクリーナーボックスを取り払ったことで、リアビューから6連のCRキャブが顔を覗かせているあたりも見どころでしょう。
また、スタイリングにおいて最も目を引くのが両サイドから顔を覗かせる6本出しのリバースコーンマフラー。角度を変えて極力コンパクトにまとめたサイレンサーは、スタイリッシュでありながら荒々しさも感じます。
なお、アプリリア・RSV4のスイングアームを装着するために、サブフレームとシートレールは完全に再構築されていいるほか、リアサスペンションにはオーリンズのTTXを採用しています。
世界中で流行をみせるネオカフェのお手本的カスタム
CBX1000をベースに流用パーツを賢く利用しながらモダナイズしたカフェレーサーは、参考したいアイデア満載の見事なカスタムでした。
なにより空冷並列6発の重厚なハイスピードツアラーを、軽やかなカフェレーサーへと変身させられるだなんて、PURPOSE BUILT MOTOの技術とセンスの高さには脱帽するしかありません。