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ロイヤル・エンフィールドといえば、世界最古のバイクメーカーとして、また、イギリス旧車の設計を今に伝える、リアルビンテージバイクを製作するメーカーとしても知られていますね。当サイトでもしばしば取り上げるメーカーの一つです。
今回は、そんなロイヤル・エンフィールドの車両の中でも、「ブリット350」をスクランブラー仕様にカスタムした車両について紹介しましょう。
ロイヤルエンフィールド「ブリット350」
「ブリット350」は第一次世界大戦でイギリス軍に配備された軍用モデルで、現行ラインアップにも残っているという世にも希有なバイクになります。見るからにクラシカルなモデルとなっていますね。
残念ながら現在は「ブリット350」もとうとう生産が中止され、「ブリット500EFI」に受け継がれている。スタイルはほぼそのまま同じで、EFI採用の499cc空冷シングルを搭載している。なお、現在はインド軍の主力モデルにもなっています。
「Moltar」
第二次大戦どころか第一次大戦時に採用された旧態然としたモデルが、生産国は変われど現在に受け継がれているところも凄いのですが、今回紹介する「Moltar」は、そんなクラシカルなモデルを見事にスクランブラースタイルに作り換えています。
クラシカルなスクランブラースタイル
こちらの車両を製作したのは、インドネシアの首都ジャカルタに居を構える「Thrive Motorcycle(スライブ・モーターサイクル)」になります。以前もヤマハのロードスポーツ「スコーピオ」のカスタムマシンを紹介させていただきました。
「スコーピオ」は、ただただ個性的なスタイリングが目を引きましたが、「Moltar」の場合は、「ブリット350」というビンテージバイクを、これまたクラシカルなスクランブラースタイルとして、ものの見事に昇華させている点に注目です。
スクランブラーとは?
スクランブラーの起源は古く、元を辿ると1960年代以前まで遡ることになります。当時もオフロードでのレースも盛んに行われていましたが、本格的なサーキットも少なく、また、モトクロッサーのようなオフロード専用のモデルも存在しませんでした。そこで、オンロードバイクをオフロード用にカスタムを施したのがスクランブラースタイルになります。
語源は、緊急発進という意味を持つ「スクランブル」ですね。レーサーたちが一列に並んで一斉にスタートしたことから「スクランブルレース」と呼ばれ、そのレースに出場するマシンが、「スクランブラー」と呼ばれるようになったと言われています。ちなみに、このスタート方法は、現在のモトクロスレースにも受け継がれています。
ガソリンタンクは「ブリット350」の要素を少しでも残そうと、ノーマルのものをやや小さく修正するカスタムを施しています。
ロイヤルエンフィールドのトレードマークとも言うべきサイドボックスもメッキとブラックで、洗練されたカラーリングが施されています。右側はマフラーの上にかぶさるカスタムカバーが装着されています。
クールな仕上がりのスクランブラー
現代に残るリアルビンテージとも言うべき「ブリット350」が、ここまで洗練された雰囲気のスクランブラー仕様へと変貌を遂げました。
どちらかといえば、野暮ったいスタイルが魅力のロイヤルエンフィールドが、ここまでクールな仕上がりになるとは驚きです。ジャカルタのバイクシーンにも目を見張るものがありますね。今後も、注目していきたいと思います。