この記事の目次
前回から引き続きカドヤさんのリフレザーを実体験!
5年の間、クタクタになるまで着倒した「カドヤ製レーシングスーツRSI」がどこまで綺麗になるかをリポートです!
果たしてレーシングスーツは蘇るのか
ブラシを当て続けて1時間。まだ半分くらいでしょうか…。ツナギは表面積も大きいし擦れや汚れも激しいため、大変時間がかかります。
『洗いの作業』が終わったら脱水槽に入れて短時間の”脱液”。その後、今度は”トリートメント液”に浸けます。この浸け込みで洗って落とされた革への栄養補給を行います。浸ける時間は色合いや革質、状態によって判断されます。その後、再び”脱水”です。
続いては型崩れ防止の専用ネットに入れてタンブラーによる叩き込みを行います。ドラム型乾燥機のような機械に入れて揉み込みを行います。
回転するドラムを撮影するため、回転しているタンブラーの窓を開けて頂きました。
タンブラーから取り出したら、巨大サーキュレーターに当てて一晩は強制乾燥させます。ちなみに型崩れを防ぐ干し方にもノウハウがあるそうです。その後、水洗いの場合は1週間ほど、ドライクリーニングの場合は2週間ほど自然乾燥させます。
乾燥後は手作業でスチームアイロンを当ててシワなどを伸ばし、革によってはオイルアップが行われ、艶と輝きが蘇ります。オイルアップ出来ない革も洗いの段階で革には栄養補給が行われているため、心配ご無用ですね。
実はこのツナギは昨年末のレースで右の太もも部分に豚汁を大量に引っ掛けてしまったのです。簡易式の椅子の足が倒れて、鍋ごと…。本戦走行前だったのでそのまま走ってしまったので「これは即リフレザーしないとカビて大変なことになる…」と、レースにも集中出来なかったのですが、その忌わしの豚汁臭もなくなりました!
白さの甦りよりも驚いたのは黒い部分の復活でした。擦れて茶色になっていた黒い部分が、近くで見ても遠目に見ても黒です! 擦れたプリントや擦り切れた革は元には戻りませんが、これでまたあと5年は戦えるようになったと思いますよ!
今回はツナギでしたが通常の街着の革ジャンなどの場合はカビや体臭、たばこ臭なども洗うことで改善されます(革質や、臭いの要因と固着の度合いにより効果に差があり、香水などは落ちにくい傾向にあるそうです)。袖を通したら、しっとりしなやかな感触で、カピカピした表面の触り心地も復活していました。
シーズンオフになる時期にリフレザーした場合は”洗ってからしまえる”ため、洗剤に含まれている防カビ剤が効果を発揮してくれますよ。なお、しまう時は密閉されたところはNGで、革は畳んでしまうのもNG。
ハンガーにかけておくのがベストですが、もし丁度良いサイズのハンガーが無い場合はハンガーにタオルを巻いたりすると型崩れが防止できるとのことです。お試しあれ!
協力 – KADOYA リフレザー