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ハイブリッド車にプラグインハイブリッド車、電気自動車、それに燃料電池車…。未来のクルマは何で動かすのでしょうか? 現在、エコカーの代名詞と言えばハイブリッド車ですが、それに次いで多くリリースされているのは電気自動車。スタートアップ企業による果敢なチャレンジも数多く見られます。
今回は、そんな電気自動車(EV)の中でも、現実的な価格で明確な狙いを持った1台、スペインでデザインされたミニカー「mö」をご紹介しましょう。
möは都市部で活躍するミニカー
都市部で活躍するミニカーとして企画された「mö」。定員は2名+子ども席(またはラゲッジスペース)と、ファミリーユースではなく、また完全なるパーソナルビークルでもない、ミニカーです。
サイズは全長2,000mm、全幅1,400mm、全高1,300mmで、前二輪+後一輪の三輪自動車。
この淡いらしいデザインのミニカーmöは、電気で動くEVです。通常の充電に加えて、ルーフにソーラーパネルを設置しており、それにより補助的な充電が行われます。さらに面白いのが、ペダルを踏む(回す)ことで補助的に人力発電ができるという点! 視点を変えると電動アシスト自動車?とも言えます。
航続距離は50km(ペダリングをすれば80km!)と短目ですが、ライバルを電動スクーターと捉えれば充分でしょう。充電時間も1~2時間と短いので、日常利用に支障はありません。
最高速度は50km/h。可愛らしいルックスにマッチして控え目な設定です。が、これも都市部の近距離移動限定と考えれば、充分なものと言えます。それが可能なのは、わずか85kg以下という軽い車体がなせるワザ!
この写真でお見せしたいのは、お姉さんではなくて、車両の素材。そう、ボディは合板なのです。軽量に仕上げるには良い選択です。
möは、持続可能なモビリティ文化の実現を目指して企画されたEV。製造工程から利用中において、より環境負荷の少ない車両とすべく、このように徹底的な簡素化が施されているのです。
目指せイセッタ!
möの製造元であるEvoveloが意識しているのは、現代版「Isetta(イセッタ)」。イタリアのイソ社の製品がオリジナルであり、BMWによってドイツでもライセンス生産されました。小さな車体と、大人2人(+アルファ)が移動できるスペースを確保しつつ、比較的手に入り易い価格を実現していました。
Evoveloはmöを“現代版イセッタ”と位置付けられるよう目指しており、価格も一般市民が納得するレベルが必須。ということで「mö」は4,500ユーロ程度、日本円にして約50万円となる見込みで、1年以内にリリースされるそうです。
様々なスタートアップ企業が果敢なチャレンジをしているEV事業ですが、現実的に買えるレベルへと振り切った「mö」の挑戦は、意外とありなのではないでしょうか。