【基礎知識】バイクのシリンダー配列を種類別に特徴紹介!

世に出回る様々なバイクは、その特性と個性(キャラクター)で様々なライダーを魅了したり、忌避・幻滅させたりもします。

ひとことにキャラクターといっても、目的に応じた車体構成であったりライポジであったりもしますが、そのバイクの特性と個性を際立たせるのはやはりどんなエンジンどのように搭載されているかという点が大きいですね。

 

エンジンのキャラクターが明確になる上で、2ストローク / 4ストロークといった行程や排気量の違いは当たり前として、気筒数、冷却方式も重要な要素となるのは以前にも他のライターによる記事がありました。

【動画で紹介】空冷、水冷、油冷のエンジンサウンドの違いとは

エンジンの気筒数が増えると何が違う?排気量と気筒数の関係性とは

気筒数の違いでなにが変わる?気筒数別メリット・デメリットを徹底解説!

ただし、行程・排気量・気筒数・冷却方式が同じであっても、キャラクターの違いを生じる要素はまだまだ多数あります。

今回の記事では残りの要素の中でも主となるシリンダー配列について、記事ボリュームの関係上、最も単純で理解しやすい二気筒に絞りつつ、ごく概念的なものについてざっくりとご紹介します。

 

シリンダー配列と搭載方法

シリンダー配列とは、複数のシリンダーをどう配置するか…… ということで、クランクを軸として見たときに、軸上の直線に配置するのか、軸の同心円上に配置するのかといったことになります。

搭載方法は、車体へのエンジンを載せ方といったことになります。以下に主な例を挙げながら見ていきましょう。

 

直列二気筒

クランク軸と平行な直線に沿ってということでインライン(inline)とか、横に二つ並べたという意味でパラレルparallel:横置き)とも呼ばれます。最もオーソドックスかつシンプルな配置ですが、クランク位相の違いで見た目は似通っていても全く違った特性になります。

 

メリットとしてはオーソドックスゆえの信頼性と、吸気・点火・排気のための補器類を機能ごとにまとめて配置できるため、生産性と整備性が高いといったところでしょうか。

 

例外として戦前のものには他にもあったように思いますが、比較的現代のものとしてはカワサキKR250に搭載されていた、タンデム(tandem:縦置き)といったものもありました。幅を抑えることはできますが、クランクが二本になって重量やフリクションの面で不利となります。

バーチカルツインという言葉を聞くこともありますが、これは見た目(車体水平線に対してシリンダーが直角となる様相)を示したものであり、シリンダー配列を直接示したものではありません。

 

V型二気筒

クランクを軸とした同心円上に二本のシリンダーを配置し、クランクピンを二気筒で共用した形式です。

配置した二本のシリンダーがV字型となることでそう呼ばれますが、Vの挟み角によって直列二気筒でのクランク位相による変化と同様に燃焼間隔が変わり、様々な特性と個性が生じます。

 

ドゥカティでは車両に収まった形状からL形と呼ばれますが、挟み角90度のV型であり、前後長が大きくなる90度Vツインをできるだけ短いホイールベースに収めるために考案されたレイアウトです。

 

同様に90度Vツインの前後長を詰めるために採用された搭載方法がモトグッツィに代表される縦置きV型で、ホイールベースを短くすることで、運動性の向上を狙っています。

 

V型のメリットとしては、幅を狭くすることができ、かつ重量物であるクランクを短く(軽く)できるところです。

クランクピンを共用せずに挟み角を小さく取ることにより、振動とスペース効率の両立……というか妥協点?を狙ったものもあります。

 

水平対向二気筒

クランクシャフトを挟んだ左右に水平にシリンダーを配置し、ピストンの動きが鏡あわせになるよう180度の位相でクランクに取り付けられた形式で、Flat(フラット:平らな・水平な)やBoxer(ボクサー:ボクシングの選手のパンチの応酬に見える?)とも呼ばれています。

 

メリットとして左右のピストンがそれぞれの慣性を打ち消すことにより、理論上は振動がゼロになるとはよく聞く話ですが…… 残念ながらクランク機構を使う限り完全な左右同一線上への配置はできないため、現実の生産品では振動ゼロとはなっていません。

 

二気筒では振動の面で成立し得ませんが(笑)、多気筒のものでは挟み角180度のV型(クランクピンを共用)といったものもあり、ここでいう水平対向とは別ものとして取り扱われます。

 

縦置きによる特性

V型や水平対向で見られる縦置きレイアウトは、出力軸が車両進行方向に対して水平となるため、車輪回転方向への出力に変換する必要があり、パーツ点数やフリクションでの効率を高めるためもあり、シャフトドライブの採用例が多くなっています。

その他エンジン回転によるトルクリアクション(反トルク作用)で左右へのハンドリングの差が生じる等、縦置き車独特の動きといったものがあります。

 

転ぶとエンジン本体がガリガリゴーっといってしまいやすいのも縦置きV型水平対向の特性でしょうか……

 

まとめ

ここまでご紹介した以外にも、エンジンのキャラクターを決定する要因としては、クランク位相とV型での挟み角(燃焼間隔)やそれを多気筒化する上での組み合わせボア・ストローク比といったものなどがあります。

※今回の記事で、クランク位相や挟み角による燃焼間隔の違いについて触れないのは記事として甚だ不完全ではあるのは否定しませんが、筆者の知識と筆力とフリーで使える画像や動画だけで、行程違いまでも含めて簡潔にまとめることは不可能と判断しました(笑)

こちらスペース効率の悪い90度V型を使いたい理由も含めて、燃焼間隔による違いを非常に簡潔にわかりやすく動画を交えて解説されていますので、興味の湧いた方は是非参照してみてください!

参考ーflickr