元レーサーが伝授!ジャンル別バイクの特徴と乗り方まとめ

世の中にはたくさんの形のバイクが存在しますが、「走る」「曲がる」「止まる」などの基本動作は共通していますし、誰でもなんとな〜く乗りこなせている気になりがち。でも実はジャンルによって微妙に走らせ方は変わってくるんです。

特徴をしっかり把握して乗ってあげればバイクとの一体感も高まります。今回は、元レーサーの筆者がジャンル別の特徴やバイクの乗り方についてご紹介していきます。この機会に愛車の乗り方について考えてみましょう!

 

バイクはジャンルごとに特徴や乗り方が違う

一言にバイクといっても、ジャンル別に分けてみると、いくつかの種類に分けることができます。特徴的なものは下記の5つです。

  • ネイキッド
  • スーパースポーツ
  • オフロード
  • モタード
  • ビッグスクーター

もちろんタイヤが2本付いていることには変わりませんし、ブレーキやクラッチなどの基本的な操作は同じです。しかし運動性能やライディングポジションは大きく異なりますので、それに見合った乗り方があります。

 

よく聞く荷重ってなんだろう?

荷重とはなにか

と、その前に雑誌のライテク特集で見かける「荷重を乗せる」ってどういう意味かを復習しておきましょう。荷重が乗っている状態というのは、簡単にいうとバイカーを含めたバイクの重さが特定の場所にかかっていることです。

例えばゆっくりブレーキをかけると、フロントフォークが沈んでリアサスが伸びることでバイクが前のめりになり、その車重がフロントタイヤに作用している状態になります。このことを「フロントタイヤに荷重が乗っている」といっているわけです。

 

荷重がかかればタイヤが地面に押しつけられるため、グリップ力が向上します。そしてグリップ力が向上すればバイクに安定感が生まれるのです。

荷重をかけるコツは、タイヤが滑らない範囲でメリハリを付けてブレーキやアクセル操作をすることです。タイヤやサスペンションに上手くストレスを与えてやるとよくなります。

 

では荷重を理解したところで、ジャンル別の特徴や乗り方を見ていきましょう。

 

ネイキッド:ニーグリップをしっかりしてバイクと一体になる

ネイキッドポジション

一番オーソドックスなバイクの形をしているネイキッドは、ハンドルも大きく切れて小回りも効きやすいです。ひらひらと旋回できるものの、反対にふらつきやすい傾向もあるため、タンクをしっかり両足で挟む、いわゆるニーグリップをしっかりする必要があります

 

低速での機動力を重視したサスセッティングであることが多く、バイカーのポジションの変化やブレーキの影響で簡単にバイクの姿勢が変わるため、基本的な動作がきちんとできていなければ旋回しづらいことも。乗り方をしっかり勉強したいと考えるのであればうってつけのバイクです。

 

スーパースポーツ:荷重をしっかりかけて安定させる

スーパースポーツポジション

ハンドルが低く、「ハ」の字に分かれているため、強めの前傾姿勢をとることになります。エンジンも高回転よりの設計で低速での走行はけっこー苦手。タンクをしっかりホールドして車体を安定させましょう。

 

スーパースポーツの名前のとおり、高速域での走行を前提とした作りです。ストレートではそこまで意識する必要はありませんが、カーブではサスペンションを動かして車体を制御してやらないとせっかくの性能がもったいないです。

 

スーパースポーツ コーナリング

大事なのは操作を一つひとつ順番に行っていくこと。コーナー進入前はしっかりとフロントブレーキを中心に強くかけて十分減速。フロントフォークを沈ませて前輪に荷重をかけて曲がる準備をします。

コーナーに侵入したら徐々にブレーキを離し、バイクを倒し込んでいきましょう。この時フロントタイヤと地面の設置面には荷重がかかっているので、タイヤがしっかり地面を捉えている状態。バイクを倒せば自然と安定して曲がっていきます。もちろん傾けすぎるのは危険なのでムリのない程度に。

 

そしてコーナー後半に差し掛かったらアクセルをじんわり開けて加速開始。荷重を後ろに移して車体の姿勢を戻していきます。ちょっと難しいですが、こうした一連の動作をうまくできた時の気持ち良さといったら……タマラン!これもまたスーパースポーツの魅力です。

 

オフロード:柔らかめのサスペンションに合わせて操作はフワッと

 

オフロード ポジション

車体は非常にスリムなのにハンドルやシートのポジションが高く、跨ってみると不安定に思うかもしれません。でもサスペンション自体が伸び縮みしやすく、ブレーキをじわっと握りこんであげるとサスペンションが縮みます。するとコーナリング時は車体の重心が下がってくれるので、安定感が増します

 

オフロード 底付き

ただしサスペンションが伸び縮みしやすいということはそれだけ柔らかい証拠。底付きしやすく、限界を超えると簡単にタイヤが滑ります。いきなりガッツリブレーキを握るのではなく、あくまで操作は丁寧にしましょう。

また、ブロックタイヤは基本的に砂利や砂での走行を想定して作られているため、アスファルト路面ではグリップが劣ることも頭に入れておいてください。

 

モタード:乗りやすいものの、油断は禁物

モタード ポジション

オフロードバイクにオンロードタイヤを装着したモタードは、ハンドルが高く比較的自由に動きやすいポジションや、ハイグリップのタイヤを装着している点からすれば、かなり乗りやすいバイクといえます。

 

でも、実は基本操作がきちんとできていなければ乗りこなすことができない上級者向けのバイクでもあるんです。タイヤのグリップは良いものの、サスペンションのストロークは長いため、急ブレーキや急発進などラフな操作をすると「スコーン!」とサスペンションが縮んでその勢いでタイヤの限界を超えてしまいます。そうなると一気に滑ることも。

 

意図的にブレーキをじわっと握ったり、アクセルをじわっと開けたりするなどして、前後のタイヤにどれくらい荷重が乗っているのかを感じながら乗ると良いでしょう。エンジンもパンチがあり、信号待ちからの加速も非常に優れていますが、急発進は車体のふら付きやグリップの低下を招いて転倒に繋がりますので、あくまで油断は禁物。

 

ビッグスクーター:リアブレーキのコントロールが鍵

スクーター ポジション

車体が長く低重心のビッグスクーター。エンジンやミッションは後ろに集中していますので、荷重がかかりやすくなっています。停止する時はもちろん、コーナーリング時の車速調整にリアブレーキを多用すれば安定して走れます

 

スクーター 構造

街乗りはもちろん、実はワインディングロードでも気持ちよく走れるのです。ただしタンクがない分、太股で挟んでホールドができずシートにドカッと座っているため、コーナリング時に車体の姿勢が乱れるとリカバリーしづらくなっています。

絶対にタイヤが滑らないよう、「急」がつく動作は決してしないようにしましょう。また、低い車体はコーナリング時に倒しすぎると地面と接触する可能性もあるため、あまり倒さずに乗ると吉です。

 

まとめ:特徴や走らせ方がわかるとバイクはさらに楽しくなる

ジャンルの数だけ、もっといえばバイクの数だけ理想的な乗り方があります。もちろん、人それぞれの体格や好みもありますし、全てをバイクに合わせるべきだなんてことはありません。

でもバイクの特徴を知って、対話しながら乗ればライディングの面白さはグッと高まります。今回ご紹介した特徴や乗り方を頭に入れつつ、あらためて愛車と走ってみると、新たな発見があるかもしれませんよ。

もーりー

もーりー

車・バイクジャンルのWebライター。モータースポーツの聖地鈴鹿を拠点に9年間ロードレース活動をおこなっていますので、実体験をもとに様々な情報をご紹介します。