マンガ『特攻(ブッコミ)の拓』に出てくる、暴走族ではない異質のキャラクター、天羽セロニアス時貞の愛車「ルシファーズ・ハンマー(悪魔の鉄槌)」をご存知でしょうか。
禍々しいネーミングとは裏腹に、ヤマハ「SR」をベースとしたカフェレーサーという、ブリティッシュ・ロッカーズ・スタイルなのです。
マンガ内でのルシファーズハンマーとは?
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天羽クンのSRは、ボアアップ+ピストンヘッド交換で高圧縮化されています。ただのエンジンチューンではなく、ハーレー用のピストン&シリンダーが組まれた、まさに悪魔のような仕様です。通称”天羽スペシャル”。
さらに、SRは通常5速ミッションですが、”伝説の6速”が存在します。これによって”スピードの向こう側”に行けるのです。
ロングストロークで高圧縮だと、キックの反動がさらに大きくなるので、”ケッチン”の恐怖は計り知れませんね。
ルシファーズ・ハンマーは実在する!?

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実はルシファーズ・ハンマーというネーミングは、天羽くんが命名したものではなくアメリカで実在したバイクが元ネタです。
当時、「Battle of the Twins(BOTT)」という市販車二気筒限定のレースが開催されており、ドゥカティやBMW、モトグッツィなどのヨーロッパ勢が首位を独占していました。そこに対抗するため、ハーレー・ダビッドソンのワークスチームが自社のダートトラッカー「XR750」を改造して送り出したマシン、それがルシファーズ・ハンマーです。
XR750にスポーツスターのピストン&シリンダーを組み、1000ccまでボアアップされ、圧縮比は10.5:1の高圧縮に仕上げられています。また、出場規格を満たすために市販品のルシファーズ・ハンマーともいえるBuell「RR1000」が少量販売されました。
このルシファーズ・ハンマーは、後に1983年〜85年と3年連続でタイトルを手中に収めています。
XR750をボアアップして作り上げた本物のルシファーズハンマー、SR400をボアアップして作り上げたマンガのルシファーズハンマー。
共にスポーツスターのピストン&シリンダーを組んでいるという点。非常にリンクする点が多いので、おそらく意識して描かれていたのではないかと思われます。
こういった点からも、ルシファーズ・ハンマーにはロマンを感じずにはいられません。
※2020年5月13日追記。ルシファーズハンマーが実現可能か検証してみました!
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