「ジョン・ウィック3」のバイクアクションはこうやって作っていた!

なんだか最近、主人公がバイクに乗ってアクションを繰り広げる映画って少なくなってしまいましたよね。バイクはどちらかというと悪者の乗り物として登場し、そして基本的に使い捨てされてしまう運命にあります。

 

2019年に公開された「ジョン・ウィック3」では珍しく、長めかつハイクオリティなバイクアクションが繰り広げられ、多くの観客の度肝を抜きました。つい最近、この壮絶なバイクアクションがどうやって撮影されたのかが公開されていたため、まとめてお届けいたします!

 

「ジョン・ウィック」シリーズとは

復讐心に駆られた男が「こちら側」に帰って戻ってきた……。

「マトリックス」シリーズの主演を務め、世界中に名を轟かせたキアヌ・リーブスが、再び世界を熱狂させたガンアクション映画「ジョン・ウィック(John Wick)」シリーズ。

かつて裏社会で「ブギーマン(恐ろしい幽霊)」「ババヤガ―(スラヴ民話の妖怪)」と恐れられた必殺仕事人のジョン・ウィックが、妻の形見である子犬を殺されてしまったことをきっかけに、平和な表社会から再び裏社会に舞い戻り、復讐劇を繰り広げる物語です。

 

2014年に公開され大ヒットした「ジョン・ウィック」は全米オープニング成績が1440万USドル(14億7,000万円)を記録。多額の興行収入を得て、2017年に続編「ジョン・ウィック:チャプター2」に繋げると、なんと前作を大幅に上回る3,043万USドル(34億4,000万円)を記録。

 

さらに、2019年に公開された「ジョン・ウィック:パラベラム」ではシリーズ最高の5,702万USドル(62億7,000万円)を記録しました。2021年5月に更なる続編「ジョン・ウィック4(原題)」の公開が予定されており、非常に期待が高まっています。

 

壮絶なバイクアクションシーン

2019年に公開された「ジョン・ウィック3」ではMT-09がワンシーンに7台も登場し、高速走行中に激しいガンファイト&ソードファイトを繰り広げるアツい展開がありました。

鍔のないドスのような刀を携えた忍者集団を相手に、拳銃一丁で立ち向かうジョン・ウィック。エンジンに2発ぶち込んだり、刀をフロントホイール差し込んでロックさせ転倒を引き起こすなど、とても激しいアクションが続きます。

 

ヤマハ発動機もオフィシャルでコラボ・キャンペーンをするほどのMT-09祭り、もちろん大破する個体も続々出てきます。

 

リアブレーキをフルロックさせ、ブレーキターンを決めるジョン・ウィック。一点透視図法の中心に主人公を捉えながら、その周りでカーブを描く取り巻きを配置することで、このカットを映えさせています。

 

そして最後まで元気だった残りの2台も転倒し、バイクアクションが終わりを迎えます。ネイキッドらしい軽やかさと、大排気量のパワフルさを兼ね備えたMT-09ならではのアクションシーンでしたね!

 

制作の裏側に迫る

さて、大真面目に実車を使っていたらおそらく50台ほどのMT-09をお釈迦にして、ようやく満足いく映像が撮れそうなこのシーン、もちろんCGやグリーンバックを多用しています。

 

編隊を組んで走行していたシーンこそはヴェラザノ=ナローズ・ブリッジで実際に撮影した映像でしたが、バイクが激しく入れ替わるシーンはグリーンバックで撮影・合成したものでした。

走行中と錯覚させるために前から後ろに流れるようなシーケンシャルな照明を活用しています。

 

肝心のバイクアクションシーンの制作は、映画史上でもトップクラスの複雑さを誇ると言われています。

橋で実際に撮った映像グリーンバックで撮影した映像、そしてCGで作成した映像をひとつにまとめるというのは、言葉にするだけなら容易ですが制作の際には非常に高度な計算が求められます。

 

タイミングを3秒間違えたり、配置や移動が数フィートずれただけで、映像から説得力が失われてしまうほどの繊細な撮影です。

 

グリーンバックスタジオではバイクを乗せたキャリアーを人力で動かすため、各人が死に物狂いになって力を振り絞ります。「このスーツはクソだよ」と苦笑する撮影スタッフには惜しみない拍手を送りましょう。

 

まとめ

これだけのこだわり、人材、予算があって初めて生まれた映画史上トップレベルのバイクアクションシーンでした。合計160秒ほどのワンシーンのために、数か月を賭したジョン・ウィック制作陣には、次回作でも頑張ってほしいです!

ZANGE

ZANGE

海外で起きている様々な乗り物系ニュースを、日本の方にわかりやすく噛み砕いてお届けします。 好きな映画は「ダンケルク」「フューリー」「007シリーズ(ダニエル・クレイグ以降)」です。