2006年に誕生したイタリアのカスタムバイクショップであるVibrazioni Art Design、独創的なデザインはもちろんのこと、思いもよらない素材を外装部品に採用するなど、注目すべきショップのひとつとなっています。Vibrazioni Art Designが生み出したバイクをいくつか、見ていきましょう。
1984年式 ピアッジオ シイ
まず最初に紹介するのは1984年式のピアッジオ シイをベースに作成したこのカスタムバイク。RedBull Epic Rise 2019に参加することができるよう、不動だった車両を修理してここまで仕上げたとのこと。
エンジンにはマロッシから提供を受けたエンジンブロックを使用。レッドブルの缶をストックできるようになっています。遊び心のあるカラーリングで、トライアルバイクとBMXを折衷させた美しいデザインとなっています。
ドカティ ラティコーザ
お次に紹介するのはドゥカティ ラティコーサ(RATICOSA)。
749ベースですが、スポーツタイプではなく山岳道路向けタイプのバイクへと変貌しているのがポイント。
メカ的な注目点としては、純正フロントフォークからドゥカティ ストリートファイターのフロントフォークへ変更されている点や、1098のスイングアームを使用している点、マルチストラーダのハンドルレバーを使用している点などが挙げられます。
市街地での操作性を向上させるようにストリートファイターにアップハンドルが採用されていたことを考えると、ドゥカティ ラティコーサの方向性も想像に容易いと言えるでしょう。
LORD OF THE BIKES
続いて紹介するのはLORD OF THE BIKES。かつてイタリアに存在したオートバイメーカーのカジバ(Cagiva)が販売していたSX 250をベースとしているのですが、実はこれ製作に携わったAlberto氏が15年以上前の若かりし頃に乗っていたものなのです。
年季の入ったように見える外装はカラーリングが独特、しかしメカニカルな部分は最新のものが採用されていてキッチリと作られているように感じます。ファッション好きなら、イタリアらしいカラーリングを持ったバイクであると頷くことでしょう。
シートには押し型で「(Vibrazioni=)目まい」という文字がびっしり!完璧な翻訳ではないかもしれませんが、一周回ってキュートですね。
HONDA TREQUARTI
ここで日本のバイクの登場。1986年製のホンダ CB750をベースとしたカスタムバイクです。
TREQUARTIとなっているのは、カスタムバイクの製作にあたってフレームを加工してショートフレームにしたことが関係しているとのこと。
ペンゾイルのペール缶を材料にして製作したカウルを装着しているなど、Vibrazioni Art Designお馴染みの工夫が為されています。
BMW Finale 1000
1985年製のBMW K100 RSをベースに製作されたカスタムバイク。フレーム後方のアスファルトに似た見た目を持つデザインが、このバイクのデザイン的特徴の大きな要素であるとのこと。
フロントフォークを80mm短くして低重心化や剛性を高めていたり、純正フェアリングを取り除き、シングルモノコックとしてワンオフで作ったオリジナルのタンク、サドル、テイルピースなどを使っています。
思いもよらないアイデアでカスタムバイクを生み出し続けるVibrazioni Art Design、今後の活躍にも期待です。