二輪駐車場を増やすための3つのキーパーソンとは?

もはや慢性的!「二輪車駐車場がない」の声がなくならない理由』で述べた二輪駐車場問題の第二弾となる本記事。表題の通り二輪車駐車場を増やすためには、3つのキーパーソン(自治体、民間事業者、警察<公安委員会>)に、「ここに二輪車駐車場を作ってほしい」という要望(ニーズ)を伝える必要がある。そして、新たに設置されたものはもちろんのこと既存の施設も可能な限り利用し、稼働率を上げることが大切だ。それでは、それぞれの役割を簡単に説明したい。

自治体=条例改正による駅前での整備拡充

新宿区役所修正版

駅前駐輪場や役所、公園、図書館など公共・公営施設での二輪車受け入れを担う。中でも特に大きな役割が、自転車条例等の改正だ。既存の駅前駐輪場などで原付に加えて原付二種以上も置けるようにするといったもので、”自転車条例(自転車等の放置防止に関する条例など)”における駐輪場管理規定の改定や、公営駐輪場の改修などを行うほか、助成金によって民間事業者による駐車場設置をサポートする自治体もある。

自治体の整備は大掛かりに行われることが多く、一気に数十台規模で整備拡充されるため期待はふくらむのだが、議会での条例改正など運用開始までには3~5年を要するため、スピード感のある対応や設置は難しい。既存施設の改修時期に整備・駐車場設置の検討が重なるなど、タイミングも重要となる。

民間事業者=ピンポイントのニーズをビジネス化

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2006年の駐車場法改正(駐車監視員による取り締まり開始)の翌年に道路法が改正。それにより民間事業者による新規参入や、既存の四輪用駐車施設における二輪車駐車枠の増設が続いている。彼らの特徴は、ピンポイントの設置を可能としている点だ。バイク利用者の多くが希望する駅前や幹線道路沿いでの用地確保は難しいのだが、一本中に入った道のわずかな設置スペースを見つけ、一か所数台程度の駐車場を作ることができる。

下高井戸リパーク月極め1修正版

また、時間貸しだけでなく月極めスペースを設置するなど、保管場所の確保にも期待できる。とは言え、民間事業者はあくまでビジネスとしてやっているので、稼働率が低下すれば撤退も避けられない。知り合いへの声掛けなど既存施設の利用を心がけたい。

警察(公安委員会)=路上パーキングメーター・チケットの活用

表参道二輪車Pチケット01修正版

路上に設置されているパーキング・メーターやパーキング・チケットは“駐車場”ではない。都道府県公安委員会が行っている「時間制限駐車区間規制」という路規制のひとつであり、全国にパーキング・メーターで1万7,338基、パーキング・チケット発給設備で1,187基もあった(2013年末時点)のだが、利用率の低下などにより年々撤去が進んでいる。その理由は、稼働率の低さや自転車の原則車道通行の徹底に伴い、自転車走行の危険につながるといった判断であり、今後も減少が進むと予測されている。

大塚Pメーター車用1

パーキング・メーターやパーキング・チケットは、駅の近くや幹線道路に設置されていることが多く使い勝手が良い。ちょっとした買い物や食事、カフェでの休憩など、我々が積極的に利用することで警察の目に留め、四輪に代わって稼働率を上げることで都市部の二輪車駐車場不足を補おう。こうすることが、パーキング・メーターの長時間利用や欧州・台湾のような路上設置型の二輪車駐車場(スペース)の実現に結びついていくことだろう。

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田中淳磨

田中淳磨

二輪雑誌編集長、二輪大手販売店、コンサル事務所勤務を経て二輪業界で活動するコンサルタント。バイクの利用環境改善や若者向け施策が専門で寄稿誌も多数。