カウルがないバイクのことをネイキッドと言ったりしますが、サイドカバーも前後フェンダーも、燃料タンクすらないまさに“素っ裸”なこのマシン。実は電動バイクなのです。
スズキのアメリカンモデル「サベージ」に、ニッサンの電気自動車「リーフ」用バッテリーをぶち込んだ、かなり強引なカスタムを施した超ユニークマシンを紹介しましょう。
2003年スズキ「サベージ」がベース
アメリカのニューオリンズに拠点を置くカスタムショップ、ナイトシフト・バイクスが製作したこのマシン。ベースは、650cc単気筒を搭載した2003年モデルのスズキ「サベージ」です。
純正のアップハンドルは低いセパレートタイプに変更、シートもシングルタイプとなり、ウインカー類は小型のLEDタイプに変更。ステップ位置も、純正は前寄りにセットしたフォワードコントロールだったのに対し、より後方のスイングアーム付け根付近に移動。スタイル的にはアメリカンからロードバイクへ変身させた感じです。
インホイールモーター採用
本来エンジンがあるフレーム内には、巨大なリチュウムイオンバッテリーが搭載されています。このバッテリーは前述の通りニッサン「リーフ」用です。リーフは英語でLaefと書くので、このバイクのネーミングが”Leafy”となっているようです。14個のセルを使用し、トータル116ボルトの高電圧を実現しています。
パワーユニットはリヤホイールのバブ内に搭載されたインホイールモーターです。モーターをリヤホイール内に配置することで、省スペース化に成功。すっきりシンプル(過ぎる?)スタイルとなっています。加えて、1回の充電で約160km走行可という、電動バイクとしてはかなり長い航続距離も注目です。
モーター出力もコントロール
この電動バイク、面白いところがもう一つ。シート下に250アンペア対応のKelly社製コントローラーを搭載。これは、アクセル開度に応じてモーターの出力を調整するユニットです。通常、電動バイクや電気自動車はアクセルを開けるといきなりパワー全開になりますが、このユニットがあれば普通のバイクやクルマのようにアクセルを開けた分だけパワーが出る特性にできるのです。
見た目は”素っ裸”ですが、走り的には普通のバイクと違和感のないフィーリングが楽しめそうです。コントローラーとモーターを繫ぐ配線はスイングアーム内を通すことで、コード類が外観から見えないような処理も施されています。
また、本来タンクがある場所には、ELTEK社製のオンボードチャージャーを搭載。充電ステーションさえあれば、出先でもバッテリーの充電が手軽にできてしまうのです。
ほかにも、リヤブレーキをドラム式からディスクタイプに変更するなど、走りの装備もかなりアップグレード。どんな走りをするのか、一度見てみたいですね。