老若男女を問わずスマートフォンが身近なツールとなった今、わからないことをすぐにインターネットで検索したり、SNSで会社の同僚や古くからの友人と連絡をとりあったりということを日常的に行っている人は多いことだろう。
例えばドライブ中、初めて通る道に戸惑ったり、ガス欠になりかけたとしても、スマートフォンさえあれば、すぐに道順などを調べたり、あるいはサービス業者などに連絡をとったりすることができる。しかし、そういう「すぐに繋がる」という一面は時折、仇となることがある。
「繋がりを失いたくない」という不安が募る
台湾の国立勤益科技大学の研究者らによれば、旅行時においてスマートフォンの依存が強まれば強まるほど、「繋がりを失いたくない」という不安が募る傾向にあるという。
これはどういうことなのかと言うと、研究者らは以下の通り説明している。
スマートフォンが手元にあると、我々はホテルなどの予約を確認したり、レンタカーを借りたり、現地で撮影した写真をSNSでシェアしたり…と、スマートフォンを使って何でもこなそうとする。そして、スマートフォンに依存し過ぎた結果、不安が募る。
誰かとの繋がりを求めることで安心感を得るという心理学的傾向は、言うなれば親と子が混雑した場所で行方をくらまし、両者ともに不安を煽られるようなものである。
この傾向は特に教養のある人、情報通の人を中心に強く見られるとのこと。SNSと言えば、その代表格であるFacebookに頻繁に繋がることで、うつ病のリスクが上昇するという研究も報告されている。
ドライブや旅行時に必要不可欠なツールとなりつつあるスマートフォンであるが、くれぐれもインターネット依存には十分気をつけていただきたい。
本研究内容は、近日、情報および情報通信技術に関する国際専門誌『International Journal of Information and Communication Technology』に掲載予定である。
画像 – Flickr : uditha wickramanayaka