バイクでの旅は日常から解き放たれるという大きな要素があり、それが魅力の大半だったりする。ひとり旅になるとその魅力は倍増するが、ひとりという孤独を「自由」と感じるか「寂しい」と感じるかによって、おのずと旅のスタイルが決まってくるのではないだろうか。
著者はひとりという孤独に最上級の「自由」を感じているので、ひとりの時に寂しいと感じることはあまりない。とはいえ、それも仲間と走る楽しさを知っていて、その合間にひとり旅を楽しんでいるからであるが…。
ひとり旅はすべてを自分で決めて行動する
ひとり旅だけあり、当然、すべてを自分で決めて行動する。その分、自分ひとりだからこその甘えも出てくる。例えば、ひとり旅では地図を見て今日の目的地を決めるわけだが、初めて向かう場所などでは、おおむね”その辺り”という感じで向かってしまうし、地図上にキャンプ場があってもやっているのかどうかわからない。また、やっていたとしてもオートキャンプ場には一泊2,000円以上なんていうところもあるので、そこに泊まれるかどうかもわからない。
野宿は自由度合いをアップさせてくれる
キャンプ場というのはバイク旅には最高の施設だが、そこにとらわれてしまうと自由度が低くなる。好きなだけ走りたいし、午前中だけ走って、午後は温泉でも入ってのんびりしたい時だってある。
丁度良い場所に自分好みのキャンプ場があればいいが、そんなに都合よくいくことは滅多にない。自由な旅人とは、かなりの贅沢者でもある。値段が高い、混んでいる、大した理由でもないのにキャンプ場をパスする。ちょうどいいキャンプ場があっても「あと一時間走りたい」なんていう勝手極まりない理由で走ってしまう。だから、益々丁度良いキャンプ場がなくなっていく。
キャンプ場以外での野宿が有効
そこでキャンプ場以外での野宿が有効になってくる。人の迷惑にならない場所で、トイレと水場があればベスト。道の駅などは最適だが、それ以外にも地方の県道などの道沿いには、いきなりちょっとした駐車場が付いた公衆トイレなどがあり、そういうところは野宿物件としてはかなりの好条件といえる。
そんな野宿での体験記を少しだけ紹介したい。だがあまり期待はしないでほしい。著者は残念ながら霊感などはゼロで、”ここは何か出そうだ”というような少々薄気味悪い場所で野宿しても何も見たこともない。それどころか、そんな場所でも余裕で熟睡だ。
けれど、バイク旅を続けていると、きっと誰でも経験するようなあれこれを体験したことはあるので、それらを紹介してこうと思う。次回からお楽しみに。