近年、Googleが自動運転車を発表したのをきっかけに、自動運転車の開発に着手する自動車メーカーや研究機関が目立ってきている。そんな中、EUのプロジェクトチームが開発したのは、動物のような動きをする(!?)自動運転車であるという。
ボルボ「FH16」をベースに開発した自動運転者
ヨーロッパの10~15の大学との協力体制のもと立ち上げられた、自動運転車の一大プロジェクト「Grand Cooperative Driving Challenge」。スウェーデンにあるチャルマース工科大学Ola Benderius助手率いる研究グループが中心となり、動物のような動きをする自動運転車をボルボ「FH16」トラックをベースとして開発している。
クルマは我々と同じ生き物?
同研究グループは自動運転システムを、単なる“技術システムの総体”ではなく、我々と同じ“生命体”として捉え、生物システムをベースにした自動走行テクノロジーの開発に取り組んでいるというのだ。
このテクノロジーでは、センサーやカメラを通じて収集した情報をシステムにコンバートし、人や動物が五感を通じて世界を解釈するのと同様の方法で、自動運転システムが状況認識を行うのだという。
チームリーダーの Ola Benderius氏は「生物システムは我々が知っている最高の自律システムであり、このシステムデザインを採用することで、あらゆる状況により適切に対応することができるようになる」と語っている。
トラックを操っているのは…
この自動運転トラックの根幹を成すシステムは、「Open DLV」というソフトウェアによって制御されている。「Open DLV」は、同研究グループが独自に開発を進めているオープンソースのソースコード。世界中の他分野の研究者とプロジェクトを共有すべく、現在インターネット上にて無料で配布されているという点がユニークだ。
それにしても、早く自動運転システムが普及して欲しいものである。
それでは最後に、ボルボ「FH16」の走りをご覧いただきたい。
いかがだったろうか。走行シーン自体は、直線コースを走っているのみなので、感動は少ないかもしれない。また、動物のように…と言ってもアニメのクルマのようなグニャグニャした動きをするわけでもないし、クルマがペットのように懐くわけでもない。あくまでも、システムを動物の感覚に見立てているというワケで、目に見えて変わるワケではないということをご了承いただこう。
参考 – Youtube : Self Driving Truck – Ola Benderius、Chalmers University of Technology、 opendlv