“バイク乗りあるある”で、近年ダントツ上位にあるだろうケースがこれだ。二輪車駐車場に着いたものの「マジかよ!ひとつも空いてね~!」。
近くの二輪車駐車場を探すためスマホをフル稼働し、数km先の駐車場に置けたはいいが、見事に大遅刻。次回は電車で来ることを固く誓うのであった…と。
二輪車駐車場がない!足りない!
「二輪車駐車場がない! 足りない!」という声は都内を始め、全国の都市部でよく聞く声だ。当サイトでも、駐輪場の件については何度が取り上げている。
2006年6月の道交法改正により駐車監視員(緑のおじさん)による取り締まりが始まり、同年11月の駐車場法改正により原付二種以上の駐車違反取り締まりが始まった。二輪車駐車場の整備を待たずに施行されたため、2007年をピークにバイクの駐車違反取り締まり件数が激増! バイク通勤をやめるなどし、バイクを降りたユーザーが相当数いたことは間違いなく、国内新車販売台数減少への影響も大きいと考えられている。
自動二輪車(原付二種以上)専用駐車場の数は11倍に
しかし、駐車違反の取り締まり件数はピーク時2007年の52万1,454件から2013年時点で21万706件にまで減少(警察庁調べ)。日本自動車工業会から発行された「自治体の二輪車駐車場事例集2016」によると2006年末から2014年末にかけての8年間で自動二輪車(原付二種以上)専用駐車場の数は11倍に、クルマと併用されている駐車場の数は2倍に増えている。
欲しいところに充分な台数が停められない
あの2006年から今年でちょうど10年。駐車違反は減り、駐車場も増えているのに、その声が無くならないのはなぜか? それは「欲しいところに欲しい台数がない」からであろう。
例えば、東京都渋谷区のように繁華街での駐車違反が社会問題となっていたような街では、比較的整備が早く進んだが、東京都千代田区のようなビジネス・商業ゾーンでは、ほとんど増えていないのだ。
当たり前のことだが、駐車場は利用者がいてこそ存在する。では、「欲しいところに駐車場ができない」のはなぜだ? それは「ここに作ってほしい。ここに作ったら必ず利用する」という声(ニーズ)が、土地・施設・不動産のオーナーや管理者に届いていないからだ。今後、駐車場を増やしていくには、利用者の声を集め、可視化していく仕組み作りが求められているのではないか? 筆者はそう考えている。
画像 – Flickr : Seika