しばしばランクルやパジェロなど大型SUVを「四駆のクルマ」と言い合わす場合がありますが、4WDであることはご承知でしょう。カタログを見ると四駆のクルマを4WDではなくAWDと表記されてることもあります。4WDとAWDの違いとは何か仕様が異なるのか?もしくは全く同じなのか、解説していきましょう。
4WDとAWDの違いとは
まず、AWDは「オール・ホイール・ドライブ(All Wheel Drive)」の頭文字をとった略記表示。名前の通りすべての車輪が動く「全輪駆動車」です。
つぎに4WDとは「Four Wheel Drive」の略記となり「四輪駆動車」になります。
四輪車すべての車輪が動くことを示し、意味ではAWDとほぼ同じです。しかし、4WDとは四輪車のみを対象とした全輪駆動車に限定されることに注意していただきたいです。
四輪限定なら4WD
クルマはタイヤが四つ搭載されたものとは限らず6輪さらには8輪駆動車も存在します。
たとえば、市販されたものだと、メルセデスベンツの「G63 AMG 6×6」は6輪駆動、AVTOROSシャーマン8×8は8輪駆動車です。
最近ではタジマEVと東京大学の堀・藤本研究室が6輪独立駆動のハイパースポーツ電気自動車「Monster E-Runner KODE6」を発表しています。
これらは、6輪以上なため4WDだと言い方として矛盾が生じるため、AWDというのが正しい。
このように、4輪を超えるタイヤをもった全輪駆動車の担っているAWDと四輪車の全輪駆動車のみに用いられる4WDが存在すると解釈できます。
パートタイム式4WDやフルタイム4WDとAWDの関係性
パートタイム式4WDやフルタイム4WDというのを聞いたこともあるのではないでしょうか。
パートタイム式4WDとは状況に応じて4WDと2輪駆動に変更可能な4WDシステムです。フルタイム4WDとは4輪それぞれが駆動しますが、それぞれの駆動力を変更できるシステムです。
フルタイム4WDはアウディがクーペやセダン向けに開発した4WDシステムが最初であって、アウディはこれを「クアトロ」と呼び、グループB時代の世界ラリー選手権でクアトロを搭載した「アウディ・クアトロS1」で驚異的な速さを見せたことから、フルタイム4WDシステムは一気に広まりました。
前輪と後輪で駆動配分を別々に分配するだけでなく、悪路や雨天時の路面において、もし1輪のみ滑ったとしても、それに合わせて駆動を制御してくれます。
このように4WDには2つの特殊なシステムもあるのです。
フルタイム式は常時四輪駆動なわけですが、パートタイム式と区別させる言葉としてAWDという表現が用いられるようになったともされています。
4WDとAWDはほぼ同じ意味!フルタイム式かパートタイム式の違いに気を付けること
4WDとAWDは同じに思えますが、ほりさげてみると車輪の数や仕様の違いで意味合いが異なります。
それでも4WDとAWDはほぼ同じ意味でとらえられることが多く、特に意識する必要もなさそうです。
しかし、通常の4WDまたはAWDなのか、それともフルタイム式4WDなのか、はたまはパートタイム4WDなのか、このあたりは違いに意識をもって仕様を見極めることが必要といえます。