今なお根強い人気を誇るJ.K.ローリングの名作「ハリー・ポッター」には、魔法使いだけが楽しめる独自のスポーツ「クィディッチ」が登場します。スタイリッシュなホウキにまたがり大空を自由にかけながら、空飛ぶ金色のボール「スニッチ」を奪い合う姿にワクワクした人も多いハズ。
「とにかくクィディッチをやってみたい」。そんな思いを実現すべくあのトヨタが開発したのが、「e-broom」です。
ファンシーなホウキそのものにしか見えませんが、実はこれ、れっきとした電動モビリティ。穂の部分をよーく見てみるとタイヤが取り付けられていて、持ち手部分のボタンで「アクセル」と「ブレーキ」を操作します。
乗り手は両足にインラインスケートを装着する必要があります。それでも、ひとたびエクストラブルームにまたがればポジションも相まって気分は魔法使いそのものです。残念なことに空を飛ぶ機能は搭載されていませんが、滑るように地面を移動できる自由さはとにかく爽快!ボタン位置も自然とホウキを握れる位置にありますし、操作に変に気を使うことはありません。
もっとも、インラインスケートになれていないと最初は立つだけでもワタワタしてしまいますが……。こういうのは慣れです。
空飛ぶ金のボール「スニッチ」の再現にはドローンを使用します。ドローンには衝突を回避するためのセンサーやカメラが内蔵されていますし、捕まえようとする選手の間をすり抜けていく姿を容易に想像できます。
ARやVRと組み合わせれば、さらに映画の世界を再現したり、ゲーム的な面白さを追加できそうなe-broom。現在のところは開発中で販売予定はないそうですが、モビリティの新たな楽しみを実現してくれそうな一台です。
Writer:
石川 順一