「限界を超えていく都会の冒険者」を開発コンセプトに掲げ、2020年2月に発売されたばかりのホンダの新型「ADV150」はちょっと普通じゃないスクーターです。本来のメインステージである都市部や郊外で求められる「足」の役割を果たすだけでなく、外見と中身の両方にアドベンチャー要素が加わっており、スクーター愛好者を新たな境地へと誘います。
アドベンチャー要素が満載!
テーマの1つであるアドベンチャースタイルらしさを特に感じさせるのがマフラー。前後長を抑えてコンパクトにしながら、マフラーエンドの位置が一般的なスクーターよりも高い位置にあるんです。
実はコレ、アドベンチャーバイクではよく見かけるレイアウト。排気口から水が逆流してエンジン内部に浸入したり排気が妨げられるのを防ぐという合理的な理由があります。
専用デザインのブロックパターンが採用されたチューブレスタイヤで濡れた舗装路面でも未舗装路でも安定したグリップ力を発揮。よりオフロードバイクテイストな1台が欲しいなら、絶対にオススメなモデルです。
150ccクラスなら本格オフローダー以上の足まわり
アドベンチャーモデルを謳うなら欠かせないのが、サスペンションのストローク量の確保。なんと13cmと150ccクラス最長です。見た目はスクーターでも、オフローダー以上の足回り!
しかもリアサスには高性能サスペンションの証ともいえるリザーバータンク付き。凹凸が多くてサスペンションへの入力が激しい未舗装路でも安定して走ることができそうです。
ADV150では制動性を高めるABSが、フロントブレーキに装備されています。リアタイヤにつけなかったのは、おそらく意図的にロックさせてブレーキターンできるようにといった配慮からでしょう。オフロードでは道幅がないところで車体の向きを変えるなんて場面もありますからね。
服を汚さずヘルメットもシート下部に収納できる
もちろん、スクーターとしての利便性も兼ね備えています。例えばギアはもちろんAT。クラッチ操作に気を取られることなく、ライディングに集中できます。フットスペースだってきちんとあるので、靴やズボンの裾があまり汚れずに済みます。
座席下には27Lのラゲッジボックスを確保。フルフェイスヘルメットを収納したりツーリング先で購入したお土産を入れておくことだって可能です。フロントインナーボックスにはアクセサリーソケットがセットされているのでスマホ充電もできます。
低中速域に寄せられたエンジン出力特性
エンジンは150ccと中途半端な排気量ですが、最高出力15馬力をマーク。250ccと比べると若干非力ですが、クロスカブのような125cc以下のモデルと比べれば十分なパワーです。
それにオフロードで大切なのは低速での力強さ。低中速域で気持ちよく加速するようにと仕上げられたeSPエンジンは、AGV150にうってつけ。スマートキーやアイドリングストップ機能もあって利便性抜群です。
オフロードスクーターという新ジャンル
低排気量スクーターのイメージの延長線上にあって、なおかつアドベンチャー要素を高いレベルで実現しているホンダのADV150。ただのスクーターでは満足できない欲張りユーザーの夢を叶える一台です。オフロード走行の入門機にも最適かも。