”戦略的価格”で2021年春登場予定となっているトライアンフの3気筒エンジンモデル「TRIDENT(トライデント)」。とうとうファイナルテストの模様が公開されました。デザインコンセプトの公開時には真っ白の外装で覆われていましたが、今度はディテールを隠すカモフラ柄。具体的な仕様や価格もまだ明らかにされていませんが、それでも走行可能な状態ということもあり、かなり装備は見えてきています。
ミドルクラスのお値打ち3気筒モデル
まずは、トライデントの公開済みの情報をおさらいしておきましょう。トライアンフの中でも過激なスポーツネイキッドである「SPEED TRIPLE」「STREET TRIPLE」に続く3気筒エンジン搭載車で、600〜750cc程度のミドルクラスモデルとなっています。見た目は他の兄弟社とは違い、かなりネオレトロ寄り。スタンダードなスタイリングのバイクを好む層にはたまりません。
さらにトライアンフは「クラスをリードするテクノロジーを標準装備」する予定だとしています。パワーやスロットルレスポンスを変更できるライディングモードはもちろん、スクランブラー1200ではじめて採用された「MY TRIUMPH コネクティビティシステム」を搭載する可能性もあるかも。もしそうなれば、スマホやGoProがメーターの画面やハンドルスイッチでカンタンに操作できて、V-LOGづくりが捗ります。
ホンダ CB650R、カワサキ Z650、ヤマハ MT-07、スズキ SV650など、70〜90万円台の手ごろな価格帯を相手取っていくこともあり、かなりお値打ち価格になる予定とのこと。他のライバルは2気筒や4気筒モデルなので、選択肢が増えるのはうれしいところです。
テスト写真から見えた装備の数々
基本情報をおさえたところで、公開されたテスト車両の画像をみていきましょう。エンジンはデザインコンセプトのときから変わらず、「STREET TRIPLE」に搭載されているそれと同様の意匠をみてとることができます。トライデントの排気量ははっきりと明かされていませんが、設計もまた近しいものとなるのでしょう。
フロントにはこのクラスでは珍しい高性能なショーワ製倒立フォークを採用。リアはバネの伸びをいじれるプリロード調整機能つきモノサスが確認できます。
ブレーキシステムは、フロントにダブルディスクとニッシン製の2ポットキャリパーを組み合わせ、リアに1ポットキャリパーとスタンダードな印象。このあたりはコストを抑える工夫であることはもちろん、バイクの特性から十分と判断されたのかもしれません。ネオレトロということもあり、とにかく速さを求めるというモデルという印象ではないですものね。
スタンダードなポジションも相まって、すでに軽快な乗り心地が期待できる新型トライデント。デザインや電子制御系など、ワクワクする情報がまだまだ残されているので、展開から目が離せません。