スーパーカーのなかで、最もブランド力のあるフェラーリ。ビンテージカー愛好家のなかでは、古いフェラーリは非常に人気が高く、数億円で取引されるものは珍しくありません。
その中でも、希少車として知られるのがフェラーリ250GTO。昨年のカナダで行われたカーオークションでは史上最高値となる54億円超で落札されたほどです。世界最高級のスーパーカーと言って差し支えないフェラーリ250GTOとは一体どんなクルマなのでしょうか?
史上最高値!4,840万ドルで落札されたフェラーリ250GTO
2018年、世界のカーオークション史上最高値で落札されたビンテージカーが登場しました。それが1962年に生産されたフェラーリ250GTO。落札価格は4,840万5000ドル、日本円で約54億円でした。
フェラーリ250GTOとは
フェラーリ250GTOは、1962年から1964年の間で36台のみ生産されたスポーツカーです。
GTOとは「Gran Turismo Omologato」の頭文字から名付けられ、FIA・グループ3規格に沿って製作されたホモロゲーションモデル。デイトナ24時間やFIA・GT選手権などでタイトルを獲得し、フェラーリ史上最高傑作と称されます。
エンジンは3リッターのV型12気筒エンジンが搭載され、最高出力300PS、最大トルク294N・mを発揮し、それでいて車重は1,000kgと軽量に作られたハイスペックGTカーでした。
4リッターエンジンを搭載したプロトタイプが3台製作され、計39台は全て現存しているとされています。
フェラーリ250GTOが落札されたオークションは
フェラーリ250GTOが出品されたのは、カナダ・オンタリオ州ブレナムに本拠地を置くRMサザビーズ(RM Sotheby’s)が2018年8月25日に開催されたオークションでした。
このフェラーリ250GTOは、1962年に製造されたもので、3,500万ドルからスタートし、100万ドル単位(約1億円単位、イカれてますね……)で入札額が増していき、数十分で4,400万ドルまで達しました。
最終的には、投資家のグレッグ・ウィッテン氏(Greg Whitten)により4,850万ドルで落札されました。
落札者は黎明期のマイクロソフト元幹部
落札したウィッテン氏はマイクロソフトの元幹部。ウィッテン氏がマイクロソフトに入社した1979年は、マイクロソフトには15名の従業員しかいない頃で、まさに氏はマイクロソフト黎明期を支えてきた人物です。
後にマイクロソフトがIT業界を牛耳るほど急成長したことで、1998年までマイクロソフトに在籍し、のちに金融ソフトウェア企業「Numerix」の取締役会メンバーとなり2003年から2013年までCEOを務めました。
彼はフェラーリ250GTO以外にも250LMやF40、F50など希少価値の高いフェラーリをコレクションしています。
また、マイクロソフトの株式も保有し、投資としてはマイクロソフト株のほうが断然良い投資ですが、フェラーリ250GTOのほうがはるかに楽しい投資だったと語っています。
フェラーリ250GTOは更に高値で取引されていた
フェラーリ250GTOのオークション史上最高値は4,840万ドルでしたが、オークション以外だとさらに高値でやり取りされていました。
個人売買では2018年6月に7000万ドル(75億円)で売却され、世界で最も高価な車として、最高額の記録を更新し続けています。
これほどビンテージーカー愛好家を魅了させるフェラーリ250GTO、現物だけでも一度はこの目にとどめておきたいですね。