もうBMW似なんて言わせない!キア スティンガーGTが結構イケてるかも

2020年のワールドカーオブザイヤーを受賞したクルマが何かご存知でしょうか?日本車かドイツ車だと思うかもしれませんが、ところがどっこい大賞に輝いたのは韓国メーカー キア(起亜)のSUV テルライド。耳慣れないメーカーかもしれませんが、1990年代には一度日本に上陸したこともあり、筆者はかつて販売されていたスポーツカー2代目ロータス エランのライセンス生産品「ビガート」を想起します。

 

当時は発展途上のメーカーということもあり、荒削りなところもありましたが、現行ラインアップともなると全く異なります。中でもスポーツ性の高い「スティンガーGT」は一見の価値アリです。

 

キア・スティンガーGT

2020年5月現在の日本には未導入ながら、2017年デビューの「毒牙・毒針」を名乗る、5ドアファストバックのクルマ。

 

2011年のプロトタイプ発表時・・・・・・よりは意図的にも見えるBMW似の意匠は薄まりながらも、比較的クセの強いグリル廻りに仕上がっています。とはいえデザインのシロートの目には、内外装トータルではこれといった破綻はなく、大きく好き嫌いが分れることのない、クリーンでコンサバティブなデザインに見えます。

 

2020年モデルでのパワートレインは3.3LのV6ツインターボ365馬力(または2.0Lの4気筒ターボ255馬力)に8速ATを介しての後輪駆動(またはフルタイム4WD)で、350万円~600万円のDセグメントやプレミアムCセグメントといわれる層の国内外のクルマと並べても、決して見劣りすることはないでしょう。

 

その実力のほどは? VS. ポルシェ / BMW

スティンガーの実力はこちらの動画で確認できます。このように、欧州のプレミアムブランド車と比べても遜色ない走りであることが伺えます。ただ、ポルシェ パナメーラもBMW 6シリーズもスティンガーより一回り大きく重いクルマであることから、車重の影響が如実に出るテスト項目に限定しての比較であることは考慮しなくてはいけないかもしれません(笑)。

 

なお、少し前までの日本車の多くは、そこそこスポーティなモデルでさえ、ブレーキやクーリングシステムでコストカットされていて難儀することも多かったところですが、スティンガーでは写真で見る限りでは、制動力の高い大径スリット入りベンチディスクにブレンボキャリパーと、ドイツ車や最近の国産スポーツと同様に動力性能と車重に見合っているであろうブレーキシステムが標準装備で奢られています。

 

誰しもがサーキットを連続周回するほどの高負荷走行を日常的にするわけではありませんし(笑)、少なくとも日常域+αでのコストパフォーマンスでは一級品といえるところまでは、到達しているのかもしれません。

 

すでに模倣フェイズからは脱却?

ジャガーとメルセデスEクラスとリンカーンを混ぜたと酷評されたキア・オピラス

実は業界再編前、2000年前後の輸入第一世代と言われる韓国車のほぼ全てに乗ってみたことがあるのですが、そりゃぁもう酷いものでした。

主要基本コンポーネントのほぼ全てが日本メーカーの技術供与によるものと、その模倣品ばかり。当時はまだ標準装備が当たり前だったアッシュトレイが格納されているにもかかわらず、3rdギアにシフトしようとすると正拳突きしてしまったり、回るのを嫌がっているようなフィールのエンジンだったり、外装パネルのチリが合ってないのは当たり前、デザインや質感という言葉は知らないんじゃないかとも思える内装。

もちろん個体差や個人の感じ方による部分はあるでしょうが、とても万人に勧められるクルマとはいいようのないものでした。イギリスの人気TV番組「トップギア」「グランド・ツアー」でも、韓国車はダメなクルマの代表格として常々こきおろされています。

 

とはいえ日本の自動車産業も、第二次大戦前および戦後の1940年代後半から1950年代の戦勝国各国メーカー車のノックダウン生産純国産車で初の対米輸出での大コケや、その後も探せば必ず元ネタと思しき欧米車があるようなデザインのオンパレード・・・・・・といった時期は長くありました。

しかし、1970年代のオイルショックをむしろ契機として、安価な小型・高燃費車としての独自のポジションを築きながら、さらに品質と性能と耐久性に磨きをかけていくことによりブランド性を高め、従来の自動車産業勢力図を書き換えて現在の地位まで到達したのです。

 

スティンガーが日本で発売される可能性もあり

韓国の自動車産業も同じ道を辿ろうとしているのか、あまりにも売れず2009年に日本の乗用車市場からいったんは撤退したヒュンダイ自動車(業界再編により現在はキアもその傘下)ですが、昨年秋から日本再進出に向けての動きがあります

日本を除いた世界各国での売れ行きから、昨今の様々な政治的軋轢からくる感情や、前回の市場参入での失敗といったマイナスイメージを覆せるだけの商品力を確保できたとの判断なのかもしれません。

 

先日次期型プロトタイプのスクープが出たばかりのタイミングではありますが、とりあえず現行スティンガーのスタイリングとスペックを眺めてみても、価格次第では興味の湧いてくる方も多いことでしょう。

参考ーflickr
Kia Motors Corporation

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Kenn

Kenn

モノと生き物の境目が曖昧なちょっとイタい人。 バイク・クルマに限らず、作り手の情熱・魂の込もったモノに惹かれます。 DOS時代から名乗っているハンドルなので、某声優のほうが後発デスヨ