気軽にスポーツ走行を楽しみたい!でも、レーシングカーなんて買えないしスポーツカーだってどれも高すぎる。そんな悩みを解消してくれるのはやっぱり維持費の安い軽自動車です。最近では車体価格も高騰してきましたが、ちょっと前のモデルならそんな心配もありません。激安30万円以下に絞っても、スポーティーな軽自動車は5つもあるんです。
軽スポーツの代表格!スズキ「アルトワークス」
アルトワークスは、スズキ「アルト」のスポーツモデルです。格安で速く走れる軽自動車として、バリバリの走り屋はもちろん若い女性からも大人気!AE86やシルビアなどのスポーツカーを購入するまで、アルトワークスで腕を磨いていたドライバーもいたほどで、スポーツカーのエントリーモデルとして支持されています。
2015年には約14年ぶりの復活を果たし、5代目となるHA36型アルトワークスが発売されました。こちらはまだまだ新しいため、中古車でも高額。その分、3代目のHA11/21型と4代目HA12/22型はかなり中古価格も安くなってきています。
おすすめはやはり比較的新しいHA12/22型。30万円以下でパワステ、電動格納ミラー、キーレスエントリーなど装備が充実した車両が数多く販売されています。純然たるサーキット用としては不要な部分も多いですが、その分街乗りも快適ですよ。
軽唯一の電動ハードトップ!ダイハツ「コペン」
ダイハツ「コペン」は、軽自動車で唯一の電動開閉式のハードトップが搭載された豪華なオープンカー。2シーターでラゲッジスペースの容量が少ないため実用性で劣りますが、遊び車として割り切ってしまえば、街乗りからワイディングまでどこでもドライブが楽しくなります。もちろん、コペンでサーキット走行やレースに出場するユーザーも多く、幅広い遊びを許容するだけのポテンシャルを秘めています。
現行モデルはさすがにまだまだ高価ですが、初代モデルのL880Kなら30万円以下の中古車が出てきています。その分10年落ちしている車両がほどんどですし、走行距離も多め。整備記録簿が残っているか、エンジンオイルやオイルフィルターの交換が定期的に行われていたかを最低限確認し、電動油圧ポンプの開閉式ルーフが稼働するか、モーターから異音がしないかなど、オープンカーならではの機構も入念にチェックしておきましょう。
女性向けなのにレースベース車として大人気!ダイハツ「エッセ」
ダイハツ「エッセ」は6代目ミラをベースにした5ドアハッチバックモデルで、愛らしいデザイン、ポップなカラーラインアップで女性ユーザーをターゲットにしています。
エンジンは658cc直列3気筒DOHCで58psを発揮。軽自動車のNAエンジンとしては比較的パワーが出ています。トランスミッションは3速AT、4速AT、そしてスポーツ走行には欠かせない5速MTも設定されました。
さらにダイハツ直系のチューニングパーツブランド「D-SPORT」や社外パーツメーカーからさまざまなアフターパーツが販売されていました。基本は中古になってしまいますが、比較的手に入りやすくなっています。
また、ダイハツチャレンジカップにエッセでエントリーする選手が多かったことや、エッセのワンメイクシリーズ戦が開催されるほど日本各地で多くのレースが行われたことから、安価でチューニング費用が抑えらるレースベース車両として人気です。
中古車価格は、30万円以下でもかなり状態のいいものが選び放題。修復歴なし、低走行距離の極上車だって手に入っちゃいます。
サファリラリーで優勝!ニュルも走っていたスバル「ヴィヴィオRX-R」

スバル ヴィヴィオRX-R
「軽自動車がWRCに出場」という無謀とも思えるチャレンジをしたのが、スバル「ヴィヴィオRX-R」。は見事完走し、総合12位/クラス優勝の結果を残しました。
1990年代当時の軽自動車は3気筒エンジンが常識でしたが、直列4気筒DOHC4バルブにインタークーラー付スーパーチャージャーを備えた高性能エンジンを搭載していました。
市販車は軽自動車規制ギリギリ68馬力ですが、チューニングで更なるパワーが狙え、車体に高い強度と剛性を発揮。従来のヴィヴィオから過激なチューニングが施されたRX-Rは、軽自動車では前例のないニュルブルクリンクサーキットでテストを行い9分54秒台を記録。筑波サーキットでは1分13秒35を記録し、国産自動車業界に輝かしい足跡を残しています。
これほどオーバースペックなモデルなため中古車が気になるところですが、生産終了から22年が経過したため、稼働できる車両は減少して中古車市場のタマ数は少なくなっています。RX-Rになるとめったに出てきませんし、中古車店にオークション代行を依頼したり、ネットオークションやフリマアプリを総動員して探してみてください。
ビートだけじゃない!ホンダ・スピリットに富んだホンダ「トゥデイ」

ホンダ トゥデイ
ホンダの軽スポーツといえばビートが絶対的な存在感を放っていますが、ハッチバックモデルのトゥデイも忘れてはいけません。
トゥディは1985に登場した初代モデルJW1~4型とJA1~3型の方が、レース出場車両としては高い評価を得ています。
しかし、筆者は1993~1998年にかけて販売された2代目モデルJA4/5型をあえて推したい!軽くて低重心、そしてビートと同様にレーシングカー同様の鋭いスロットルレスポンスを実現するエンジン制御システム「MTREC」が採用されています。F1直系のテクノロジーが反映された、当時のホンダを象徴する軽自動車のひとつなのです。
アフターパーツが豊富で、ホンダの軽自動車他モデルからパーツ流用が可能なこと、パワーを100馬力以上まで引き上げられ、ハイパワー化とリミッターカットで時速200キロオーバーまで達するというポテンシャルも見逃せません。
中古車市場では10万円以下で販売されるものがあるほど激安で、人気の高いマニュアルトランスミッション仕様でも30万円以下で十分購入可能です。高騰しつつあるビートでなくても、ホンダ・スピリットを十分堪能できます。
まとめ:大人の遊び車なら軽の中古車を狙うべし
ここ数年、ビートの後継型となるホンダ「S660」の登場やスズキ「アルトワークス」の復活、本格派クロカン4×4のスズキ「ジムニー」が20年ぶりにフルモデルチェンジを果たすなど、軽自動車でもクルマ好きが胸躍るモデルがどんどん発売されてきました。しかし電子制御やADASの搭載により、コンパクトカー同様の価格帯となっており、なかなか手が出せなくなってきています。
まずは安くスポーツ走行を楽しむためにも、中古の軽自動車から始めてみましょう。乗りつぶす感覚でいけば、初期費用が抑えられますし、自らのドライビングテクニックも上達していきます。小さくたって、楽しみは無限大!