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意外と知らない!ターボチャージャーって実際なんなの?

意外と知らない!ターボチャージャーって実際なんなの?

クルマ好きやバイク乗りなら、一度は聞いたことがあるはずの「ターボチャージャー」。カタツムリ型のメカメカしい姿に、なんだか男のロマンをくすぐるカッコよさがありますよね。でも「パワーが上がる」「なんか速い」くらいはなんとなくわかりますが、「どういう仕組みなの?」という問いに答えられる方はなかなかいないのでは。酒のさかなにできるくらいには知っておいて損はないので、この機会に理解を深めちゃいましょう。

 

ターボチャージャーとはパワーである

意外と知らない!ターボチャージャーって実際なんなの?

ターボチャージャーは端的にいえば、排気量以上に空気を押し込んでエンジンのパワーを出す装置のことです。排気の流れを利用して、コンプレッサーを駆動し、内燃機関が吸入する空気の密度を高くする役割を持っています。

 

爆発力を高めるには濃い空気が必要

なぜそれでパワーが上がるかというと、エンジンが駆動力を生み出す仕組みに理由があります。すべてはエンジン内にあるピストンを収めたシリンダーという円柱上の穴の中で起こっていることです。

まず霧状になった燃料と空気がシリンダーに入ったところで、ピストンがせりあがり、内部を圧縮。シリンダー内が圧力で温度が高くなったことや、プラグから飛んだ火花で燃焼と爆発が起こり、ピストンが下がります。これが繰り返されることで往復運動が生まれ、その力をクランクシャフト経由でタイヤへ伝達。これが駆動力となっているのです。

 

このとき、シリンダー内に入る空気は濃ければ濃いほどたくさんの燃料を燃やすことができます。つまりその分、ピストンの上下運動も活発になって駆動力がたくさん取り出せるというワケ。ターボチャージャーはこうした燃焼の性質を利用してパワーを出していたんですね。

 

すっかりデメリットが軽減されたターボチャージャー

意外と知らない!ターボチャージャーって実際なんなの?

前述したとおり、ターボチャージャー最大のメリットは、排気量以上のパワーを出せることです。そのため、最近ではスペックの底上げよりも、環境性能の面から規制をクリアするためにも有効となっており、スポーツカーだけでなく、ファミリーカーや軽自動車でも数多く採用されています。

とはいえ、昔からターボ車に親しんでいる人なら「燃費がわるいんじゃないの?」と思うかもしれません。なにせ同排気量の自然吸気エンジンよりたくさんガソリンを燃焼させているわけですから。

 

そこで登場したのがダウンサイジングターボ。ターボチャージャーの特性に着目して、小型の気筒数が少ない小排気量エンジンでも大排気量車顔負けのスペックにしようというものです。例えば自然吸気で2リッターのエンジンが出せるトルクと同等の数値を出そうと思ったら、ターボであれば約1リッターでも十分なくらい。そうなると、排気で捨てているエネルギーを利用できるターボエンジンのほうが、効率のいいエコなエンジンといえるんです。実際、輸入車メーカーのスポーティなモデルでも1,000〜2,000cc台の小さめエンジンにターボチャージャーを組み合わせたモデルが主流になりつつありますからね。

 

さらに昔からいわれているデメリットが、ターボ車は排気の力を利用してタービンを回すので、アクセル操作に対してレスポンスが少し悪いこと。いわゆる「ターボラグ」というやつですね。実はこちらも技術革新のおかげで、最新のターボではドライバーがストレスを感じないほどに軽減されているんです。

 

スーパーチャージャーもまたパワーである

意外と知らない!ターボチャージャーって実際なんなの?

よくターボチャージャーと混同しがちなのが、スーパーチャージャーです。これらはどちらも圧縮させた空気をエンジンに送り込むという役割は一緒なものの、コンプレッサーの駆動源に違いがあります。

スーパーチャージャーはクランクシャフトの回転でコンプレッサーを動かしています。エンジンが回り出せば同時にコンプレッサーも回ることもあり、低回転からのレスポンスが良さがウリです。ただしエンジンのパワーを転用している以上、回転が上がるほど消費されるエネルギーも多くなってしまって、高回転域ではターボチャージャーに比べ効率が劣ります

 

そうしたデメリットを解消するために、モーターでコンプレッサーを駆動させる電動スーパーチャージャーも登場しています。

 

進化が続くターボチャージャー

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ターボチャージャーもすでに発明されてから100年あまり。クルマ用に限っても1962年にゼネラルモーターズが採用してからすでに60年が経とうとしています。その間にどんどん技術は進歩しているわけで、「パワーは出るけど燃費は悪い」なんていう認識はもう過去のものとなりつつあります。

ざっと上げるだけでも、可変ジオメトリターボにツインターボ、ツインクロールターボとそれぞれ面白い特性を持った種類が登場していますし、知れば知るほどターボチャージャーの世界は奥が深いですよ。

Writer: ゴーマ

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