今回のテーマはバイクの燃費。バイクの燃費は悪い、という意見に注目し、何故バイクの燃費が悪いのかについて、端的に紹介します。バイクの燃費には、エンジンの構造的なものとドライバー心理が大きく関係しているのです。
本当にバイクの燃費は悪いのか?

Photo by Allar Tammik
まず、本当にバイクの燃費は悪いのかどうか、ということを考えてみましょう。まずは以下のホンダ CBR250RRのスペックをご覧ください。
車両重量:165kg
燃費
・定地燃費(平坦で直線の舗装路を時速60kmで走行した際の燃費):40.1km/L(2名)
・WMTCモード値:26.7km/L(クラス3−2)
エンジンスペック
・エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒
・最高出力:28KW(38PS)/12,500rpm
・最大トルク:23N・m(2.3kgf)/11,000rpm
定地燃費で40.1km/L、さらには実燃費により近いとされるWMTCモードでも26.7km/Lとなっていることがわかります。自動車に当てはめて考えると、ハイブリッドカー並みの燃費性能となっていることがわかりますし、燃費性能を基準に相対的に見れば決して燃費は悪くない、むしろ良いほうです。
しかし、車両重量を考慮すると、見方が変わってきます。上のスペック表に見る通りCBR250RRの車両重量は165kgです。少なく見積もっても車両重量1,000kgをゆうに超える最近の小型乗用車の20%くらいであるにもかかわらず燃費はハイブリッドカーと同じくらい、と考えると、車両重量の割には燃費性能悪いのでは?と見ることもできます。

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このように、燃費性能だけ見れば自動車よりも優れている一方、車両重量と照らし合わせると燃費が悪い部類となっているのです。
バイクの燃費性能が悪い理由
バイクの燃費性能が悪いとされる理由をまとめると、次の通りです。
まずひとつはエンジン特性です。さきほどのスペック表にエンジンスペックも記載しましたが、最高出力や最大トルクの発揮する回転数が10,000rpmを超えています。つまり、エンジンを高回転させることによってそのエンジンが持っている出力やトルクを最大限に発揮するようになっているのです。
では、低回転で走行すれば良いのでは?という意見もありますが、バイクのエンジンはショートストロークになっている傾向があり、自動車のように低回転から高いトルクを発揮することは比較的難しくなっています。
そしてふたつ目の理由がエンジン特性による運転の変化です。カタログ値ではCBR250RRの最高出力は12,500rpmで発生するとなっています。スロットルを回せば回した分だけエンジンが回って加速するわけですから、そのことに快感を覚えて、つい高回転でエンジンを回しがちになってしまい、燃費が悪くなってしまうという人間由来の理由です。
バイクの燃費を向上させるには

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バイクの燃費を向上させたい方のために、バイクの燃費性能を向上させる方法をいくつか提案しておきます。
アクセルワークを丁寧におこなう
アクセルワークを丁寧に行ましょう。加速するために最低限必要なスロットル量で走ってください。
タイヤの空気圧をメーカー指定の数値に合わせる
タイヤの空気圧が少ないとタイヤの接地面積が増えて抵抗が増加します。こだわりのない限り、メーカー推奨値に合わせておきましょう。
無駄なブリッピングをしない
必要のないブリッピングをやめましょう。ただし、ワインディングなどで気持ちよく走る際には、活用してください。
まとめ
バイクの燃費性能の良し悪しについては色々な意見がありますが、いずれにせよ、燃費性能を考えた丁寧な運転ができるに越したことはありません。これを機に、自身の運転を振り返ってみてはいかがでしょうか。