テーマパーク向けの遊具として開発されたホンダ モンキーは、その愛らしいサイズと外観で多くのバイカーから愛されています。走りを楽しむのはもちろんのこと、カスタムバイクのベースとしても重宝されていますよね。
その人気はフランスにまで及んでいるようです。同国にアトリエを構えるカスタムショップ、VIVAが今回選んだカスタムベースもまたモンキーでした。その名も「Jane」。女性らしい名前もかわいさを引き立てているけれど、その姿を見たら一瞬で恋に落ちてしまうかも。記事を読み終わった時には、もうJaneに首ったけ?
モンキーへのラブレター「Jane」
こちらがVibaが作り上げたカスタムバイク Jane。モンキーがもつ本来のカワいさと機能を損なうことなく、繊細でフェミニン、シンプルでエレガント。そんな印象を与えるデザインを意識して仕上げられています。
本来の姿を無にしてしまうようなカスタムではなく、ベースを残しているところはモンキーに対しての深い愛と敬意を感じずにはいられません。
かわいさはアヒル口?
とっても印象的なのが正面から見るとわかる、アヒル口のようなお顔。このフロントカウル上面はラックになっていて荷物をバンドで固定できます。積載量は決して多くないですが、見た目のオシャレさとよくマッチしています。バンドとシートストラップのオレンジ色が車体のグレーにアクセントを与えていますしね。
下の部分はフロントフェンダー。ヘッドライトと一体化した形になっていて、小ぶりのまん丸ライトがとってもキュート。純正のモンキーより控えめなところがまたイイ!
繊細なデザインを可能にした3Dプリンタ
シンプルかつ繊細なデザインを作りあげるため、Janeには3Dプリンタで出力されたパーツが使われています。その際たる例が、アルミニウム製の燃料タンクです。タンクの内部は網目状の構造になっていて、走行中に燃料が揺れる効果を実現しています。燃料が多いと揺れで意図しない遠心力が効き気味になるので、快適な走りの実現に一役買ってくれそうです。表面は繊細に仕上がり、美しい曲線が全体的にエレガントな印象を与えているように思えます。
ちなみにタンクの最作にはVibaのデザイナーだけでなくドイツにある3D金属プリンティングの老舗であるSLMソリューションズがノウハウを集結。2社の技術とデザインが融合することで完成しました。SLMソリューションズの技術は、遠く火星の探査機にも使われているというから信頼性も抜群ですね。
また、フロントカウルのアヒル口内部に見られる網のような部分、いわゆるボロノイ構造を実現させているのも3Dプリンタならでは。強度の確保と軽量化を両立できたからこそ、これだけ小粋な車体が実現できたのかもしれませんね。
近年、カスタムシーンでも3Dプリンタの活用が進んでいます。デザインを自由にできるだけでなく、コストも大幅にカットできますし、ビルダーにとってはメリットモリモリ。しかも短時間でできるから効率がいい。さらに古くて手に入りにくいパーツも作れるから、思い出のバイクを蘇らせることだってできちゃいます。まさに新時代のモノづくりです。
世界に23台のカスタムモンキー
チャーミングなJaneは、23台のみ限定受注生産。Viva公式サイトから問い合わせや注文ができますが、価格についても要問い合わせとミステリアスです。とっても気になるところですが新時代の技術と、革新的なデザインが詰まったJaneは検討の価値アリ!「限定」っていう響きもいいですよね。