【謎】キーシリンダーの「P」ポジション、いつ使うの?

比較的2000年以前のバイクに見られる、キーシリンダーの「P」や「P∈」といったマーク。用途が不明だし、キーを回しすぎてしまうこともあって煩わしい……なんて感じることも。最近のモデルでは刻印がないものも多いですが、そもそもこれっていったいなんのためにあるんでしょう?

 

答え:エンジンを停止していても灯火が使える機能

実はこれ、なにを隠そう夜間の停車時にバイクの存在を示すためのポジション。メーカーによって差異があるものの、エンジンを停止した状態で、テールランプ・ウィンカー・装備しているならハザードやスモールランプといった灯火類を、キーを抜いた状態でも点灯させることができます。

トラブルで道路上で動けなくなり車両から離れる際、盗難を防ぎつつバイクの存在をアピールしたいといった状況で使用するのです。

 

それだけに、ハンドルロックをかける際に勢い余って「P」まで回してしまったことに気づかず、エンジン停止中にテールランプが点きっぱなしといった事態を引き起こすことも。

最近のLED灯火のバイクであれば、出先での食事の時間くらいであればたいした問題にもなりませんが、帰宅した際にやらかして気づけなかった場合には、次回出かけようと思ったときにはじめて「あらら?」となってしまいます。

 

ハンドルロックの次が「P」になっているバイクが多く、そういったトラブルを防ぐためなのか「キーを押し込みながらオン方向に回したらP」という工夫がされている車種もあります。

 

パーキング?ポジション?

人によって「Parking(パーキング)」と呼んだり「Position(ポジション)」と呼んだりしますが、どちらが正解なんでしょうか?これについては、どちらも目的を指すか機能を指すかの違いで同じことを指しており、ともに正解といえそうです。

 

それでもあえて世の中の共通認識から考えるなら、後者は主にクルマでの「車幅灯」を意味しています。正しくは装備しているランプの構成次第になるため、バイクでは「パーキング(駐車灯)」と呼んだほうが、より一般的な表現だというのが筆者の考えです。

 

「P」の有無は主にメーカーの都合?

冒頭でも述べたとおり、バイクによって「P」はあったりなかったりします。これは海外で「エンジン停止状態で灯火を点灯できる(かつキーを抜くこともできる)」という機能が、義務装着となっている国があるためといわれています。

 

一方、色々と役立つ場面は想像できるものの、日本での装着義務はありません。それでも流通先ごとに違った部品を作ったり、組み立て分けるのは手間とコストの面からすると避けたいところです。そうなると、禁止されているわけでもないし、あって困るわけでもないのだから共通仕様とした方がよい・・・・・・というのが実情ではないでしょうか。

 

逆にないものは、バイクの常時点灯が法制化されてからの国内モデルに多く見られます。用途目的はそれで果たせるという判断、かつ装着義務化されている国への輸出がない、もしくは作り分けがされているため、こうした状況になっているのでしょう。生産地に依存する場合もありそうです。

 

誤用によるバッテリーあがりはどう防ぐ?

前項にて「あって困るわけでもない」と書きましたが、意外とこの機能によるバッテリーあがりに悩まされている方も多いです。ところが、防止策となると「キーの回し具合の感触を体で覚える」「必ず目視確認」といった受け身なものくらいしかないのも困りどころ。

 

だったら「自分の用途じゃリスクしかないし、そんな機能はいらねぇ!」と心の底から言い切って、「P」絡みの配線はオンにならないようカットしてしまうという攻めのソリューション・・・・・・も可能ですが、やめておきましょう。緊急時の備えであり、決して自分のためだけの機能ではないのですから。キーシリンダーに刻印させている「P」にはちゃんと意味があるんですよ。

Kenn

Kenn

モノと生き物の境目が曖昧なちょっとイタい人。 バイク・クルマに限らず、作り手の情熱・魂の込もったモノに惹かれます。 DOS時代から名乗っているハンドルなので、某声優のほうが後発デスヨ