海外のみならず、日本でもパニアケースやトップケースを装着したクルーザー、いわゆる”バガースタイル”の人気が高まっていますね。草分け的な存在であるハーレー・ダビッドソンをはじめ、先日発表されたBMWの「R18B」やインディアン「チャレンジャー」などの登場によって、バガースタイルシーンは今や群雄割拠です。

そんな熱を帯びるバガースタイルにおいて、ハーレーバガーのカスタムパーツでお馴染み「ポールヤフィー」がナックルヘッドをベースに、エレガントなバガーを製作しましたのでご紹介いたします！

ポールヤフィーとは？

バガー好きの方にとっては言わずも知れたビルダーでありパーツメーカーですが、知らない方のためにかいつまんでご紹介しましょう。

ポールヤフィーは1989年に創業し、アメリカはアリゾナ州を拠点としているカスタムパーツメーカーになります。ブランド名は創業者のポール・ヤフィー氏の名前をそのまま付けたもので、以前はアメリカンレジェンドモーターサイクルと言う名前で活動していました。今では言わずと知れた大手ハーレーカスタムパーツメーカーで、特にバガースタイルのカスタムパーツは絶大な人気を誇ります。

バガースタイルとは？

バガースタイルは”バッグ”が語源とされ、フェアリングをはじめ、バッグ(パニアケースやトップケース)を装着したバイクのことを指します。しかし、バガースタイルも日々進化を遂げており今日では、30インチ以上もある大口径ホイールに変更したり、ラグジュアリーなカスタムパーツをふんだんに取り入れることもあります。また、クルーザーとしての性能アップのため、エアサスペンションやオーディオなどを搭載し、快適さを追求するスタイルへと独自進化を続けています。

少し脱線しますが、最近では走りに特化した「パフォーマンスバガー」や、あえてバッグを取り外した「ネイクドバガー」など、このスタイルから次々に派生しています。

バガースタイルは、フロントフェアリングをはじめパニアケースやトップケース、大容量のガソリンタンクに加えオーディオやスピーカー等を搭載するスタイルだけあって、車両重量もヘビー級になります。しかし、バックギアを搭載しているモデルが多いので、車庫入れや転回も案外楽々行うことができます。

また、ご覧の通り積載性が非常に高く、買い物はもちろんのこと、2〜3泊程度の荷物であればバッグに余裕で収納することが可能です。なにより、フカフカのシートや背もたれ(トップケース)があるので、乗り手だけではなく同乗者の快適性もトップクラスです。

ポールヤフィーが製作したナックルバガー

そしてこちらがポールヤフィーが製作したナックルバガーになります。一般的にハーレーでバガーカスタムを施す際にベース車両として用いられるのはツインカムエンジン、またはミルウォーキーエイトなどのツーリングファミリーです。

そんな中、ポールヤフィーはエボリューションやショベルでもなく、ナックルヘッドエンジンをベースにバガーを製作。未だかつてない組み合わせのカスタムだけに、どうなるのかと思いきや、案外マッチしていますね。と言うか違和感が全くありません！これは優れたバランス感覚を持ち合わせるカスタムビルダー、ポールヤフィーだからこそと言えます。

先の通りバガーカスタムは、フェアリングやパニアケースなどの外装によって車両重量がヘビー級になるため、エンジンにも相当のパワーを必要とします。それだけに、純正のナックルヘッドエンジンでは非力なのではないかという懸念もありますが、この車両の場合はボアアップなどのエンジンチューンも完璧なのでしょう。

それにしてもカスタムスタイルの垣根を超えて、新しいことに挑戦するポールヤフィーのチャレンジ精神とセンスの良さには、ただただ感服するばかりです。次はどのエンジンで独創的なカスタムマシンを製作してくれるのか楽しみですね。