「テレレレン、ポイモ~!」とあの青いネコ型ロボットよろしくポケットから電動バイクを取り出す。そんなアニメのような話が現実になりました。
もっとも、取り出すのはリュックからで、取り出した後は走り出すまでにちょっとした作業が必要ですけれど。日常に溶け込んで、より電動バイクを身近にしてくれそうな東京大学発の超小型モビリティ、poimo(ポイモ)をご紹介します。
モコモコしてて可愛いポイモ
こちらがpoimo(ポイモ)。POrtable and Inflatable MObilityを縮めた名前で携帯・膨張式の乗り物という意味です。軽くて柔らかい素材でできたポイモは、膨らませたり縮めたりできて、畳んでリュックにしまうことができます。見た目がとっても愛らしいですね。夏になると海やプールでよく見かけるシャチの浮き輪みたいで、とってもカワイイです。
乗り出す時もカンタン。
ジャジャーン!とリュックから折りたたんでいた本体を取り出したら、広げて電動ポンプで空気を入れます。1分ほどで膨らんで、あっという間に形に。
あとは、ゴム製のタイヤとハンドルを設置するだけで完成!タイヤの中に電動モーターが搭載されていて、ハンドルとワイヤレスに接続されているので、ケーブルを繋ぐ煩わしさもありません。
性能も見た目からは想像できないほどしっかりしています。最高速度こそ10km/h程度ですが、緩やかな坂道ものぼれるとのこと。思った以上にパワフルです。1回の充電で1時間ほどの走行が可能で、ちょっとした緊急時の移動にはちょうどいいですね。
車体の重さは、2.27kgと驚きの軽さです。タイヤやハンドルの予備、ポンプなどを含んだセット一式でも7.71kg。リュックサックに入れていても、ちょっと重いかな?と思うくらいですみそうです。
ポイモはどんなシーンで活躍できそう?
車体には耐摩耗性に優れた熱可塑性ウレタンという素材を使用しています。軽くて強度も十分あり、重荷試験でも人間の体重を支えられることは確認済です。
その上、柔らかいというのもメリット。転倒しても周りにある物や道路を傷つけてしまうリスクも少ないですし、例え歩行者と衝突したとしてもその衝撃を最小限に抑えられます。
もちろん、公道を走るとなると道路交通法や保安部品、ナンバー取得問題なども出てくるので問題は山積みでしょう。とはいえ、広い公園やイベント施設、キャンパス内といった私有地での移動には大活躍しそうです。軽量で操作がカンタン、しかも安全性に優れていて、騒音も少なくエコロジーなら屋内での使用にも期待が高まります。
プニプニした乗り物に跨った人たちが、ゆっくり公園内を走っている姿を想像すると気持ちが和みます。フィジカルディスタンスを意識するという意味でも、ポイモに乗って公園を観光するというのも新しいカタチになるかもしれないですね。
ポイモが走るカワイイ姿の動画はコチラからどうぞ!
電動バイクをグッと身近にしてくれるかも
ポイモは現段階ではプロトタイプで開発チームは一般商品化に向けて軽量化、安全性などを向上させるため改良に取り組んでいるとのこと。発売されたら街に”カワイイ”が溢れていくことでしょう。きっとその時には電動バイクはもっと身近な存在になっていることでしょうね。
©︎The University of Tokyo and mercari R4D