近年になってトライアンフやノートンが見事な復活を果たした感のあるイギリスから、またもや衝撃的な情報が入ってきました。
名前も聞いたことがない新メーカーSpirit Motorcyclesが、突如、魅力的なスーパースポーツ・モデルを発表したのです!
ジオメトリーがフルアジャスタブル!
こちらが今回ご紹介するスーパースポーツ・モデル「GP Sport」になります。
750ccの3気筒エンジンは、Rバージョンで180bhp!通常バージョンでも140bhpを発生します。クロモリ製チューブラーフレーム&イギリス製パーツで仕上げた軽量な車体はRバージョンで僅か140kg!
特筆すべきは、車体がGPレーサーを範に設計されている点です。ヘッドストックはフォークオフセット、レイク角、トレールを、スイングアームはピボットの上下位置とホイールベースを、またリンクアームも調整可能とされており、ジオメトリーがフルアジャスタブルな仕様なのです!
独創的であり、不敵な面構えにも見えるフロントフェイス。フェアリング類はフルカーボンです。
リアビューは完全なるレーサーかと思いきや、よく見るとシートカウル下にはナンバープレート・ホルダーが見えます。何と公道仕様です!
この軽量にしてハイパワー、そして最高峰のシャシー・テクノロジーを搭載したミステリアスなモデル「GP Sport」。発表の情報が瞬く間に世界中に広がった結果、同社ウェブサイトは発表直後にダウンしたほどです。
続いて、ここでは上級バージョンとなる「GP Sport R」のディテールを追って行きましょう。
GP Sport Rのディテール
細いクロモリ製パイプをロウ接して作り上げたフレーム。その構成パイプの直径と厚さは、求められる強度に応じて数種類が使い分けられています。
表面処理の荒っぽさがイギリス的です。
また機能パーツに”Made in the U.K.”を積極採用しているのも面白いところ。ですのでフロントフォークはイギリスのK-Tech製KTR 2、ホイールもイギリスのDymag製カーボン&アルミ(17インチ)といった具合。
そしてブレーキにはマン島が拠点のPFM製品を採用。2×320mm Narrow Track ディスク+6ポッドキャリパーと、これまた最強の組み合わせです!
サブフレームは鍛造アルミの削り出し。ポリッシュされたスイングアームは鋳造アルミ製。リアホイールもフロントと同じくDymag製カーボン・アルミ(17インチ)です。
リアサスペンションはフロントと同メーカーとなるK-Tech製品をチョイス。「35DDS Pro」と、当然のことながら、最高峰モデルです。
ヘッドストックはフォークオフセット、レイク角、トレールが調整可能。左グリップに装備されるのは、公道走行に必要なヘッドライト・ウィンカー等の切り替えボタン。
5インチのフルカラー液晶メーターは、珍しくイギリス以外のメーカーMoTech製品でした。
なお、肝心の水冷3気筒DOHCエンジンの出所ですが、今のところ明かされておらず、同社のオリジナルとされています。
Spirit Motorcycles とは?
日本では馴染みの薄いSpirit Motorcycles。その源流はイギリス国内チャンピオンシップとして開催されているTriumph Triple Challenge seriesの企画者であり、現在は社名T3 Racingというエンジニアリング会社。レーサー開発、パーツ開発、有力ショップのカスタムバイク製作サポートをしています。このSpirit Motorcyclesというのは、T3 Racing の1ブランドという位置づけです。
GP Sport Rは限定50台の生産!
このミステリアスなスーパースポーツモデル「GP Sport R」ですが、限定50台の生産となります。販売価格は6万8,999ポンド(976万円)! ベーシック・モデル「GP Sport」も4万4,999ポンド(約635万円)…高っ! さすがに萎えますね。
実は今回、スーパースポーツ・モデル「GP Sport」と、その上位機種「GP Sport R」のほか、そのネイキッド・バージョンも発表されたようです。が、現在わかっている「GP Sport」のみの記述に留めておきます。それらについて続報が入りましたら、お伝えしましょう。
GP Sport R のスペック
- 全長×全幅×全高:未公表
- シート高:アジャスタブル
- 軸間距離:アジャスタブル
- 車両重量:140kg
- エンジン種類:水冷4ストローク・DOHC4バルブ
- 気筒数配列:直列3気筒
- 総排気量:749cc
- 内径×行程:76.0×55.0mm
- 圧縮比:13.8:1
- 最高出力:180 bhp / 13,200rpm
- 最大トルク:未公表