発想が豊かな海外では、ユニークなアイディアを取り入れた電動モビリティが数多く溢れています。そんな中、折り紙から着想を得たという、風変わりな電動バイクを発見しましたので、ご紹介していきます。
手掛けたのはスウェーデンの会社「STILRIDE」

(右)Tue Beijer氏、(左)Jonas Nyvang氏
Tue Beijer氏と幼馴染のJonas Nyvang氏の2人によって、スウェーデンのストックホルムで設立された会社が「STILRIDE」です。この会社はアプリケーション開発およびデザインを得意としています。
代表の一人であるTue Beijer氏は、20年以上も電動スクーターのデザインを手掛けており、フェラーリやランボルギーニのデザインを手がけている、有名な「ジョット・ビッザリーニ氏」と共にスポーツカーを開発するなど、華やかな経歴を持っています。
この2人が協力して生み出したのが、持続可能な産業用の折り紙“STILFOLD”を基にした、洗練されたエレクトロモビリティデバイス「STILRIDE 1」です。
折り紙から着想を得た「STILRIDE 1」
折り紙から着想を得た「STILRIDE 1」は、白鳥を連想させる優雅なシルエットが特徴です。ステンレス鋼のフレームが折り畳まれたようなデザインは印象的で、作り込みの美しさはまるでアート作品のようです。
このプロジェクトは、わずか一枚の紙からスタートしました。
その後、最先端の金属折り畳み研究と共に紙からステンレス鋼板へと進化しました。
1枚のステンレス鋼板からの切り出しによって無駄を最小限に抑え、コンポーネントの70%、材料費の20%が削減され、リサイクル面も考慮されています。
製造プロセスでは、STILTOOLがCADデータをCAM命令に変換し、自動ロボットが折り畳みと成形を行います。
自動ロボットの導入により、CO2排出量の削減と人件費の25%の削減が実現されました。環境に配慮した持続可能な建設プロセスを通じて製造されています。
「STILRIDE 1」のディテール
「STILRIDE 1」は発表されると、すぐに注目を浴び、ニューヨークプロダクトデザイン賞やシンガポールのレッドドットデザイン賞を受賞するなど、ヨーロッパ全域で話題となりました。
無駄を削ぎ落としたスタイリッシュなシルエットが近未来感を醸し出しており、素材を生かしたデザインが実におしゃれです。
空冷の8kW(10.75 馬力)PMSMハブモーターと回生ブレーキが搭載されたリアホイールには、ISRとコンチネンタルとの共同開発であるブレーキシステムが採用されています。この優れたハブモーターによって、280N·mのトルクと時速100km/hの最高速度を実現します。
納品開始は2024年の春を予定
「STILRIDE 1」の納品は2024年の春を予定しており、最初のリリースはヨーロッパのみとなりますが、その後世界中に向けて予約の拡充が計画されています。
日本国内でも「STILRIDE 1」を購入する人々が出てくるかもしれません。都心部を走る姿を想像するとワクワクしますね!
「STILRIDE 1」のスペック
最高速度 | 100km/h |
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航続距離 | 〜120km |
バッテリー容量 | 5.1kWh |
最大電力 | 8kW |
車両重量 | 130kg |
全長×全幅×全高(mm) | 1,800×540×1,300 |
ホイールベース(mm) | 1,290 |
シート高(mm) | 810 |
充電時間 | 最大4時間 |
タイヤサイズ | F:350×13 130、R:60-13 60P |
価格(税込) | 16,500ドル(日本円:約240万円) |