新聞やビジネス系のWebメディアを購読されている方はご存知かもしれませんが、巷で話題の「サブスクリプションサービス」がゆっくりと私たちの私たちの生活に溶け込んできています。
仰々しい名前や大手企業が参入していることから「でっかい規模のサービスなんだろうなあ」「まだまだ少ないんだろうなあ」と思われる方もいるかもしれませんが、実はそんな方でも知らず知らずに利用しているかもしれません。
今日はいつの間にか主流になりつつある「サブスクリプション」についてお話していきたいと思います。
そもそも「サブスクリプション」って何?
「サブスク」などとも訳されるサブスクリプション。偉そうに横文字を使ってはいますが、わかりやすい日本語にすると「定額制サービス」でございます。基本的には「月額〇〇円で△△し放題!」のようなサービスですね。
ひとつひとつの具体的な商品に対価を支払って購入するコンビニチックなものではなく、年会費を払っていれば何回でも通えるラウンジやジムのような、利用期間に対価を払うというものですね。
先ほど例に出した通り、今までは「年会費」という形ですでに私たちの生活に根付いていましたが、この「年」を「月」という短いスパンにすることによって、サービス提供側はより早いサイクルで資金調達ができ、個人レベルの小さなビジネスでも参入しやすくなっています。
また、支払額が小さく見えるので消費者も軽率に利用し始めるというわけです。
レンタルとは何が違う?
レンタルとは多数の利用者に対してモノ・サービスを短期間貸し出す、というものです。これだけ聞くと「じゃあレンタルを連続させればサブスクと同じじゃん」と思われるかもしれませんが、もちろん借りるモノ・サービスによって価格は変わる、という点では定額制とは異なります。
また、対価を支払う対象がレンタルの場合はモノ・サービスですが、サブスクリプションの場合は期間に対価を支払っている、というのも違いの一つです。
リースとは何が違う?
リースはそもそものコンセプトが違い、高価な設備や機材を長期間で貸し出すことを指します。大型サーバーや企業向け撮影機材、大出力3Dプリンタなどは購入だけで数百万円してしまいますが、これを減価償却するよりかは短い期間(といっても1、2年などレンタルと比べたら長期)利用したい場合にリースは最適です。
ほとんどの場合、契約を途中で解除することはできません。支払いは月額制のものがほとんどで、ここだけくり抜くとサブスクとの違いが判らないかもしれませんが、結局リースもモノ・サービスに対価を支払っています。
シェアリングとは何が違う?
これは単純ですね。シェアは特定の大きなモノ・サービスを複数人で同額ずつお金を出して購入し、そのメンバー同士で同格の利用権を得る(=共有)という形です。
対価はモノ・サービスに支払われ、それを何回に分割して定期的に支払おうとも「定額」とは違った意味になります。また、所有権は消費者(もしくは代表者)に渡るというのもサブスクとは違っています。
身近なサブスクサービスはどんなのがある?
さて、大学の講義のようなふわふわとした内容が続きましたが、では実際にどのような形で私たちの生活に溶け込んでいるのか。具体的かつ超ポピュラーなサービスを例に解説して行きましょう。
Amazon Prime
全世界でこれを利用されてない方はむしろ少ないのではないでしょうか。日本市場では楽天とメンチを切りあう「Amazon」が提供するAmazon Prime。内容としては月々500円もしくは年々4,900円支払うことで、「当日お届け」「配送料無料」「Amazon Video」「Amazon Music」などの特典が利用できる会員制プログラムです。
もちろん筆者もヘビーユーザーで、年会費を支払って速達をお願いしたり過去の名作映画を月10本見たり、通勤時にAmazon Musicで様々な音楽を聴いたりとフル活用しています。
YouTube Premium
こちらはAmazon Primeと比べて3倍ほど高価なサービス。動画配信サービスの覇者「YouTube」が提供する月額680∼2,400円のサブスクサービスです。利用者のプロフィールやデバイス、プランなどによって価格変動しますが、最安値は学割の680円、一般的にはiOSアプリユーザー(個人)の1,550円、そして最高値はファミリープランでのiOSアプリユーザーの2,400円となっています。
こんだけ高いお金を払って受けられるサービスは一体!? となりますよね。サービス内容は、
- YouTube動画を広告なしで見られる
- YouTube動画をデバイスにダウンロードしてオフライン視聴ができる
- YouTube動画をバックグラウンド再生できる
- YouTube MusicやGoogle Play Musicが無料で利用できる
- YouTube Originalsの映画・番組が視聴できる
などなど、ユーザーの「〇〇できたらいいのになあ」をまとめてぶち込んだサービスです。しかもAmazon MusicをPrime利用するよりも、こちらの方がより色んな音楽を無料で視聴できる、という強みがあります。
筆者も利用していますが、正直もう無課金には戻れないと思います。ビールを7本買うのを我慢してQOLを上げるようなものなので、正直妥当だと思います。
Spotify
約4,000万もの曲が聞き放題になるSpotifyのサブスクサービス。しかし月額980円とそこそこ高く、正直これならApple MusicやYouTube Premiumの方がいいんじゃないかと思っていしまいますが、すでにSpotifyをヘビーユーズしている方は慣れたUIで聴き放題、というのは魅力的なのではないでしょうか。
乗り物系のサブスクはどんなのがある?
さて、私たちの身近にあるサブスクリプションサービスをご紹介いたしましたが、これでおそらく「サブスクとは何ぞや?」という疑問は9割9分晴れたのではないでしょうか。
しかしフォーライドをご覧の方はもちろん乗り物に乗りしライダーばかり。本当に興味あるのはここからの内容なのではと思います。次は私たちが今利用できる代表的な「乗り物系のサブスクサービス」をご紹介いたします。
KINTO ONE / SELECT
まずご紹介するのはトヨタと株式会社KINTOが展開している自動車サブスクリプションサービス「KINTO」です。簡単に要約すると、
- 月額3万3,950円~8万7,000円で好きな車1台を3年間楽しめる
- 頭金なし
- 登録費用、税金、定期メンテ、保険などがパッケージ化している
といった「車をまるっと買うお金がない」「車を買うのがめんどくさい」という市勢の意見を叶えたものです。
車種は価格順にアクア、プリウス、アルファード、ヴェルファイア、クラウンとなっています。
※2019年8月時点です。カローラスポーツが復活したり、価格が変動する可能性があります。
KINTO SELECTは同サービスのレクサス版で、サービス内容はほぼ同じですが月額一律180,000円でRX450h L、ES300h L、RC300h Fスポーツ、NX300h Fスポーツ、IS300h Fスポーツ、UX250h Fスポーツの6車種から好きな車両を選べます。
NOREL
中古車販売で有名なガリバーが展開しているサブスクリプションサービス「NOREL」は、「KINTO」より幅広いラインナップを用意しているため、トヨタ・レクサスファン以外の方にはオススメのサービスです。
国産車の中古から外車の新車まで幅広く用意しており、価格は月額59,800円~300,000円で在庫の中から好きな車を選べます。
個人的に驚いたのが、ポルシェケイマンGTSやBMW X6などのハイステータスな外車までそろえている所です。タイミングによって上限額と取り揃えは変動してくると思われますが、ここで重要なのはラインナップの幅広さですね。
車本体だけでなく、
- 対人・対物・人身傷害保険
- 自動車税、重量税支払不要(料金パックに込み?)
- 車検必要なし
などがすべて料金に含まれているため、「自動車所有がめんどくさい!」という方にはぴったりかもしれません。
バイクのサブスクリプション「月極ライダー」
バイク乗りなら嬉しいバイク用サブスクリプションサービスの代表格はヤマハの提供する「月極ライダー」ですね。
30日単位での契約が可能なので、毎月違うバイクに跨ってみるということもできます。
また、月額料金の内訳はバイクの販売価格の5%なので20か月乗って丸々1台ペイ、というのを鑑みると「毎月いろいろなバイクを乗り回せる」というのは価格以上の価値のある体験ができるのではないかと思います。
ちなみに料金に含まれるバイク本体以外の諸経費については、
- 対人・対物は無制限
- 搭乗者傷害は500万円まで
- 人身傷害・車両保険はなし
- チェーンロック・バイクカバー無料貸し出し
という、事故は自己責任なイメージが強い内訳となっております。
また、利用期間全体のなかで一か月あたり500㎞以上は追加料金という走行距離に関する制約もあります。ホームページに記載されている通り、
(利用期間中の走行距離 ー 利用月数 × 500)× 20円
が追加料金として発生するようです。
それでもレンタルバイクで一日レンタルを数回するよりも、一か月好きなバイクを5%価格で所有する方がお得ですよね!夏・冬はバイクに乗られない方、レンタルバイクに負担を感じる方、バイクをとっかえひっかえしたい方にはまたとないサービスです。
また、電動バイクを公道で乗ってみたい方は最近追加された電動二輪車「グラフィット GFR-01」が月々15,000円で利用できるため、ぜひお試しください。
以上、サブスクリプションについての解説と具体的なサブスクリプションサービスのご紹介でした。いろいろなモノ・サービスが定額システムになっていく現代を、お得に生き延びていきましょう!