筆者がこれまで紹介したカスタムバイクメーカーの中でも、奇抜なデザインで印象に強く残っているショップのひとつが、イタリアのVibrazioni Art Designです。今回は、カスタムバイクビルダーというよりはアーティストに近いこのショップが過去に製作したカスタムバイクを1台紹介します。いろいろなものからアイデアを得ることの大切さを教えてくれるカスタムバイクです。
カスタムバイクの中でも独特な異次元的デザイン
この写真に写っているのが、Vibrazioni Art Design製作のDUCATI MOTARDAです。ひと目見たときに多くの方もそのように感じると思いますが、カスタムバイクの中でも特に独特な見た目をしています。別の言葉で表せば、異次元からやってきたカスタムバイク、といったところです。
ベース車両となっているのは1993年式の Ducati 350SSになります。350SSはレーサーレプリカタイプのオンロードバイクであることから、大きなモディファイがこのカスタムバイク製作にあたって為されたということは、明らかでしょう。
カスタムの流れ
DUCATI MOTARDAのカスタムにあたって、まず最初にフレーム加工が始められました。フレーム後方を一度切断、これはエンジンブロック(シリンダーブロック)がフレーム内に収まることを狙ったものになります。
さらに面白いことに、リサイクルシートから製造されたモノコックフレームを作って、中古のオイルびんから引っ張ってきたシェルのロゴをフレームに取り付けています。このように、到底思い浮かばないようなものを活用する方法はVibrazioni Art Designの常套手段であり、DUCATI MOTARDAでもそれは十二分に取り入れられています。
その後、バイク全体に透明なグロス・ウレタン仕上げを施し、その独特な見た目にさらにエッジの効いた印象を与えています。
ヘッドライトにはキャレロ製の古いフォグライトが装着されています。フォグライトゆえの昔ながらの見た目は、今となっては個性的です。その他、そのヘッドライトの下にはオイルクーラーが装着されています。ヘッドライトの真下にオイルクーラーを装着している点は、見た目のインパクトが強いですし、オイルの冷却という意味では合理的です。
ハンドルバーにはドゥカティ ストリートファイター製のものを流用し、フット系のパーツ(フットブレーキなど)は交換、それによってスーパーモタードのようなフィーリングを実現しています。
果物の容器をタンクに使用するモディファイも
まだまだこれにとどまれず、新たなモディファイも為されています。
もともと果物系を入れるために使っていたChiquita社のケースを材料にして製造したタンクを使用し、フレームはホワイト・パウダー・コーティングなど、そしてMonster製S4Rホイールにピレリタイヤを合わせるといったカスタムも行われています。
カスタムバイクは無限大である
Vibrazioni Art DesignのDUCATI MOTARDAを知れば知るほど、カスタムバイクの製作は無限大で、どんなものでも使うことができる、ということを感じさせてくれます。人と違ったカスタムバイクを生み出したい、所有したいというときは、バイクとは関係のないものを引っ張ってきて、加工してみて試しに装着などしてみてはいかがでしょうか。