3DCGアーティストの作品は、空想だからこそ生まれるオリジナリティ溢れるバイクから、映画やゲームなどに影響を受け、アイデアを落とし込んだオマージュ作品に至るまでさまざま存在します。
これからご紹介する「XSCI1 MOTORCYCLE」もまた、今にもトランスフォームしそうな生命力に満ち溢れたユニークなバイクアートです。
XSCI1 MOTORCYCLE
フォトリアリスティックな作品を生み出すうえでライティングやシェーディングの工程は欠かせず、この作業を精巧に行うことで本物のような質感が表現できます。また、白ホリゾントで撮影されたかのような背景カラーリングと相まって、とても空想のバイクとは思えないほどリアルに仕上げられています。
3DCGだと言われない限り、実物が存在すると思わせるほど、非常にクオリティーの高いアート作品ではないでしょうか。
この作品は、ロシアを拠点に活動しているアーティストのYuriy Mamontov(ユーリー・マモントフ)氏によるもので、近未来感を漂わせるSFチックなデザインや、細部まで抜かりなくこだわったであろう作り込みはずっと眺めていられます。
なにより、今すぐロボットにでもトランスフォームしてしまいそうな雰囲気にワクワクします。
金属やタイヤの質感、凹凸のディテール、陰影のついた光の当たり具合は仮想空間で作られたとは思えないほど超リアル。
フレーム下部にはサイレンサーらしきものが設けられており、リアホイールは片持ちでもハブレスとも違う独自の手法で取り付けられています。スタンドも左右出ているところからエアーサスペンションで車体を降下させる仕様なのでしょう。
また、一見してスーパースポーツさながらのスパルタンなライディングポジションに仕上がっていますが、シート高は決して高くはないよう。メカメカしいルックスもさることながら、乗り心地が気になります。
インダストリアルデザインの未来を映したかのようなXSCI1 MOTORCYCLEは、見る人の想像力を掻き立てる、非常にユニークで完成度の高い作品でした。