最近、様々なカタチの電動自動車が発表されていますが、今回、紹介する電動自動車は実に意外な人物が所有する、意外なクルマでした。むしろ、本人が電動化されてましたと、カミングアウトされたほうがすんなり受け入れられたかもしれません。
シュワちゃん所有のハマ−を電動化!?
映画「ターミネーター」シリーズを主演するなど、世界的にも超有名な俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏がクライゼル・エレクトリック社との協力により、彼自身が所有する「ハマー H1」を世界で初めて電動化し、オーストリアにオープンした同社の研究開発センター前で披露しました。
電動「ハマ−H1」
「ハマー H1」といえばアメリカ軍が正式採用している軍用車両「ハンヴィー」と基本構成部品を共有化した民生仕様の超マッチョなオフロードカーです。ちなみにそもそも、民生化されるようになったのが、シュワルツェネッガー氏の要望だったことは、あまり知られていないかもしれませんが、事実、そうなのです。
つまり、「ハマー H1」が造られた立役者こそがシュワルツェネッガー氏であり、さらにそれを電動化させたのもシュワルツェネッガー氏というわけです。もはや「ハマー H1」とシュワちゃんは切っても切れない関係ですね。
2つのモーターは計490馬力を発揮
「ハマー H1」には様々な仕様があり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンのタイプも存在しますが、どちらもV型8気筒エンジンを搭載しています。ちなみに2005年モデルからはいすゞ製8GF1型ディーゼルエンジンに変更されているそうです。意外なところに日本製のエンジンが用いられていたんですね。
今回の電動化されたシュワちゃんのH1には100kWhのバッテリーと2つのモーターを搭載。これで何と490馬力を発揮するそうです。最高速度は時速120kmと控えめですが、総重量3,300kgの車両を動かすのですから、トルクもハンパないことでしょう。航続距離は最大で300kmとのことです。
燃費の悪いアメ車が地球に優しくなった
電動化される前の車両は100km走行するごとに24リットルの燃料を消費し、470gのCO2を排出していたそうです。つまり、リッター4.17kmだったわけですね。この巨体を考えれば、まぁ、普通のアメ車といった感じですね。そんな燃費の悪いアメ車が、今回のカスタムにより、CO2の排出量はゼロになりました。これが電動化の素晴らしいところですよね。
販売計画は未定
今回の「ハマー H1」の電動化プロジェクトは、あくまでもプロトタイプということで、今のところ販売計画などは一切、発表されていましせん。できれば、これ、このまま進めてほしい気がしますよね。
なお、シュワちゃんは「ハマー H1」の電動化には非常に満足したようで、「クライゼルの技術がこのまま発展すれば、いずれはロサンゼルスからオーストリアまで電動飛行機で飛んでこれるんじゃないの?」などとジョークを飛ばして場を沸かせていたそうです。
kreiselelectric