日本車は外国車に負けず劣らずオークションで高額落札されるモデルはいくつもあります。1960〜70年代を象徴するスポーツカーはもちろん、最近では1980年代後半から1990年代にかけて生産されたスポーツカーも海外で高額落札されています。その一部をご紹介します。
日本ビンテージカーが世界的に価値が向上
日本国内で旧車に関する関心が年々高まっています。数年前から旧車ブームといわれていますが、ここ最近は海外でも日本の旧車がオークションで高額落札されています。
しかも、1980年代後半から1990年代の国産車は急激な値上がりを見せており、映画・ワイルドスピードの大ヒットや、北米における25年ルール(製造から25年たったクルマの輸入規制が緩くなる)の影響で日本の中古車が国内からどんどん流出していることが影響しています。
ビンテージカーといえば、世界的に英国のアストンマーチンやベントレー、イタリアのアルファロメオが高額取引の対象ですが、戦後以降、日本のクルマも世界の自動車産業に影響を与えてきたことから、希少価値が高まり、海外オークションの高額落札が期待されるようになりました。
億越えは当たり前、トヨタ・2000GT
最も高額な国産ビンテージカーは、トヨタ・2000GTです。日本で初のスーパーカーとされ、映画007シリーズのボンドカーとなったことで世界的なスーパーカーとなりました。
1967~1970年の間に日本向けで218台、海外向けで102台が生産されており、今オークションに出品されれば1億円以上で落札は確実とされています。
実際に、クラシックカーオークションの大手であるRMサザビーズが2013年に2000GTを出品すると、115万5000ドル(1億2,800万円)で落札されました。
通算52勝の金字塔を打ち立てた日産・ハコスカGT-R
伝説のスポーツカー「日産スカイラインGT-R」の中でも、初代モデルの前期PGC10型と後期KPGC10型、通称「ハコスカ」は世界中に多くの愛好家がいます。
ハコスカGT-Rは1970~1972年までに国内のツーリングカーレースで通算52勝を飾り、日本モータースポーツ界における伝説的な存在となっています。
11月30日に開催された日本最大級のクラシックカーオークション「CLASSIC CAR AUCTION at GLION MUSEUM」では1972年式のスカイラインGT-Rは1,550万円で落札されました。
幻のGT-Rとされる日産・ケンメリGT-R
歴代スカイラインGT-Rのなかで最も希少とされるのが「二代目スカイライン」ことKPGC110型のGT-R。
二代目モデルは「ケンメリ」の愛称で人気となったモデルですが、そのなかでGT-Rは1973年1月から4月の3か月だけ生産され、生産台数は197台、そのうち195台しか市販されませんでした。
ハコスカGT-R同様、ケンメリGT-Rもレースでの活躍が期待されましたが、1973年に日産がレース活動におけるワークスチーム活動を撤退したので、ケンメリGT-Rはレースで活躍することはありませんでした。
あまりにも生産台数が少ないため今では幻のGT-Rとされ、そのなかでも赤い外装の個体は7台しか生産されておらず、オークションでは7,500万円~1億500万円で落札すると予想されています。
生産終了から20年で4倍まで価格高騰したトヨタ・80スープラ
2019年1月に開催されたデトロイトモーターショーで出品されたトヨタ・スープラ。このスープラは1994年式のRZエアロトップというモデルで、オークションでは「1994 Toyota Supra Twin Turbo Targa」と表示されていました。
新車購入からワンオーナーで保管されていただけでなく、オリジナルコンディションの上に走行距離もわずか18,024kmの極上車両です。
80スープラといえば、有名なカーアクション映画「ワイルドスピード」で登場したこともあり海外では大人気、中でも劇中で出てくるエアロトップは超希少車です。
このオークションでは17万3,600ドル、日本円で1,926万円で落札!スープラスGZエアロトップの日本新車販売価格が472万円だったのが約4倍にもなっていました。
80スープラ生産終了から20年経過し、去年には後継モデルの90スープラが発売されたことで、80スープラの価値はさらに高まるでしょう。
日産がルマン制覇のために開発した伝説のCカー、R90CK
日産・R90CKは、1990年にJSPC(全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権)、WSPC(世界プロトタイプカー選手権)やルマン24時間耐久レースに出場したプロトタイプレーシングカー、いわゆるCカーです。
当時、Cカーレースの開発争いがジャガー、ポルシェ、メルセデスといった海外メーカーと激化し、日産も自社の技術をアピールするため、本気でルマン制覇を狙ったレーシングカーとして有名で、数多くの一流ドライバーがステアリングを握っていました。
現存しているR90CKは、現在もヒストリックカーレースやイベントで活躍している、2018年1月に開催された「BHオークション 東京オートサロン・オークション」では1億7,300円で落札されました。
まとめ
日本のビンテージカーは、年々海外から注目度合いが増し、とくにRX-7やR32/33/34型スカイラインGT-R、Z32型フェアレディZといった20~30年前に生産終了したスポーツカーのオークション落札額が高騰しつつあります。
平成元年あたりの極上スポーツカーであれば1,000万円越え、そして往年のレーシングカーやスポーツカーは億越えするのも珍しくありません。みなさんが現在乗っているクルマも、もしすれば高額落札されるモデルになるのかもしれませんね。