近年は多くのメーカーが電動車の開発を進めており、日本国内でもテレビCMやインターネットの広告でもよく見かけるようになりました。
「最新の電動車ってどれくらい走れるの?」「乗り換えるなら電動車にしてみたい」という気持ちがあっても、ラインナップが増えるにつれてどの電動車がどういいのかちょっと混乱してきますよね。
そこで今回の記事ではぜひ押さえておきたい注目モデル3つをピックアップしてご紹介。この中から選んでおけばまず間違いはないですよ!
前後輪のモーターを使い分けてスマート加速:メルセデスベンツ「The EQC」
日本国内でも屈指の人気を誇るハイ・ブランド、メルセデスベンツからは「The EQC」というモデルが2019年4月から登場しています。クルマならではのベーシックな形はそのままなので、新進気鋭の電動車にありがちなトリッキーな形や、のっぺりとした印象がないので伝統的なデザインがいい人にも乗りやすいモデルです。
全長4,770、全幅1,925、全高1,625mmとベンツの人気車種「Cクラス」に近いサイズ感なので、切り返しに違和感を覚えずスムーズに走行することができるでしょう。バッテリーは80kWhのものを積み、カタログスペック上では航続距離は400㎞とされています。
モーターの合計出力は408psで、シーンに合わせて前輪駆動モード、後輪駆動モード、4輪駆動モードを選択可。普段は前輪側のモーターを使用しており、電動車ならではの出足の速さはもちろん確保しています。追い越し時のように急加速を要するシーンでは、トルク重視のリア側モーターも稼働。4WDによるパワフルな走りを楽しめます。
新時代を感じさせる多機能カー:Audi「e-tron」
ベンツと同じくドイツの三大メーカーのひとつであるAudiにも「e-tron」というEVが展開されています。e-tronもまたスタンダードなセダンスタイルですが、給電口は左フロントタイヤ側。ガソリン車と同等の感覚でいると、どこに充電プラグをさせばいいのか迷ってしまうかもしれません。
全長4,900、全幅2,043、全高1,615mmと先ほどご紹介したThe EQCよりも少し大きめのサイズ感ですが、カタログスペックでは100%充電した状態であれば405kmの走行が可能と航続距離もちょっと上。名古屋から東京まで片道ならラクラク行けそうです。+5kmあるだけでも、充電場所を探す心の余裕が違いますからね。
インテリアはシンプルな直線デザインで統一されています。着目すべきはドア前部に設けられたミラーモニターで、オプション装備である「バーチャルエクステリアミラー」というカメラ型ミラーからの映像を出力してくれます。
十分な視認性を確保しながらもインテリアデザインの調和を崩さないよう綿密に設計されていて、まさに自動車の新時代を実感できるシステムです。体験するにはオプション価格の19万円が必要ですけれどね……。
レトロ可愛いシティコミューター:ホンダ「Honda e」
日本メーカーであるホンダにも「HONDA e」という可愛らしいEVが展開されています。全長3895×全幅1750×全高1510mmと、メルセデスベンツやAudiと比べるとコンパクトなサイズ感ではありますが、小道や裏路地のように車線の幅員が狭い道路が多い日本で向きの設計といえそうです。
特筆すべきはドライバーの安全に直結するさまざままサポート機能。先行車が急なブレーキをかけても衝突を避ける衝突軽減ブレーキや歩行者との接触を避けるステアリングサポートなどを標準搭載しています。
また、つい見落としてしまいがちな道路標識もディスプレイに表示して知らせてくれるので、情報をきちんと汲み取ってドライブを楽しむことができるのです。
バッテリーの容量は35kWhで、航続距離はモデル仕様やモードによって259kmから308kmまで前後します。もちろんカタログスペック上の数字です。
Audi e-tronと同じくサイドミラーはカメラ化されており、こちらは標準装備。ディスプレイパネルはミラー用ディスプレイを合わせると、ダッシュボードの端から端までたっぷり液晶で埋め尽くす勢いでまるでリビングのテレビ状態です。車体価格451万円(税抜)に対して十分といえる内装の高級感といえます。
まとめ:気になったらディーラーへGO
いずれも自然にやさしい電気で走るので車体価格は高めですが、静音性や機能の高さ、そして乗り心地のよさもあり、価格の分の価値があるモデルばかりです。HONDA eのようにオーダーを一時停止するほど人気を博しているモデルもあるので、気になったらとりあえずディーラーで話だけでも聞いてみるといいですよ。
おまけ:「航続距離」の留意点
ちなみに、今回記事内でご紹介した航続距離ですが、電動車はバッテリー残量が一定を下回ると安全装置が作動。また、ガソリン車と同じく路面状況や走行スピードで航続距離は変動しますし、天気や気温によってはさらに航続距離は短くなる場合があります。
実際に快適な走行ができる距離はカタログスペックの80%と見積もって検討しておくと、手に入れた後ガックリこなくてすむかもしれません。