飛び抜けたセンスとアイデアを反映させた唯一無二のカスタムマシンを世に輩出する「REVIVAL CYCLES(リバイバルサイクルズ)」が、ファットタイヤを有したVOLCON社のEVバイク「GRUNT」をベースに、近未来感溢れるコンパクトなカスタムマシンを製作しました。
それでは、ビルダーであるライアン・コリガン氏が心血を注いで製作したハイセンスな電動カスタムマシンを見ていきましょう!
ベース車はVOLCON「GRUNT」
まず初めにベース車両の紹介から。アメリカのオースティンを拠点に活動しているスタートアップ企業VOLCONが製造している電動バイク「GRUNT」が今回の主役です。なめらかなボディラインや前後に構えたオフロードタイプのファットタイヤがとても印象的。どことなくヤマハ「BW200」を彷彿とさせるフォルムですね。
特徴はさまざまな地形に対応すべくトルクと効率を考慮し調整可能なライディングモードをはじめ、舗装路からオフロードに至るまで楽しめるように設計されています。そのため、バイクの経験があまりない方でも簡単に操作することができ、シーンを問わずに楽しむことができる電動バイクです。
そして、リバイバルモーターサイクルの手によって生まれ変わったGRUNTの姿がこちら。ファットな電動オフロードバイクからモダンなヴィジュアルに生まれ変わっています。ちなみにこの作品はVOLCONから依頼されたもので、「アイコニックなファットタイヤとメインフレーム形状はそのままにユニークな外装とすること」を条件に製作されました。
そこで今回はデザイナーのエド・ボイド氏と協力し、方向性を決める前に何度もGRUNTカスタムの草案をCADで作成。その結果、グラスファイバー製の外装を採用することでGRUNTの外観を大きく変えることに成功しています。また、GRUNTを所有するオーナーもその外観を再現できるようにすることが決定されています。
モダンなコンパクトEVができるまで
マウントはCADで設計した後に3Dプリンターで出力。しかし、外装がフレームにフィットしなかったことから大規模な変更を施すことに。サブフレームを切り落とし、より小さな7/8φのパイプを使い新しい片持ち式デザインへと変更されました。なお、リアサスペンションもアングルを変更することで運動性能の向上が図られています。
ちなみに、サスペンションはノーマルからオーリンズ製の「TTX36」にアップデートされ、カスタムブラケットで倒立式スイングアームにマウント。この一手間により、全長は一層コンパクトに仕上がっています。
外装パーツもCADを用いて設計されています。メタルワークを最も得意とする同社ですが、今回はファイバーグラスを使って職人がいちから手作業で製作。
ボディのペイントも、カラーチャートを用いて色を決めていく念の入れよう。
ビルダーや仲間たちとさまざまな意見を交わし、ホワイトをベースに爽やかなブルーとブラックを組み合わせ、スタイリッシュに仕上げられました。
スイングアームとホイールはGRUNTの純正パーツを使用。一度すべての塗装を剥離し、研磨作業を繰り返すことで美しいポリッシュ仕上げへと変更されています。これがアクセントとなり、車両に絶妙なメリハリを与えています。
タンクと一体型のシートも同店の手作業によるもので、スウェード調の人造皮革素材“アルカンターラ”を使用し高級感溢れるエレガントなルックスへと仕上がっています。
モーターコントローラーをはじめ、12Vレギュレーターやハイボルテージスイッチなどの電装類はすべてモーター近くに移設し、カスタムブラケットの効果でワイヤーハーネスもスッキリさせています。
また、CNC加工によるメーターマウントはトップブリッジに溶接することで、ミニマルなコックピットでありながら視認性の向上に寄与しています。
こちらは、完成した外装パーツの取り付けを行っている最中の一コマ。ライアン・コリガン氏をはじめ、おそらくビルダーたちはワクワクしながらカスタムマシンを組み上げたことでしょう!
近未来感漂うカスタムマシンが完成!
ビルダーのアイデアとテクニックが随所に落とし込まれ、装い新たに生まれ変わったGRUNT。特徴的なファットタイヤを活かし、丸みを帯たなめらかなシルエットが近未来感を感じさせますね。VOLCONからの依頼もきちんと反映され、互いに満足のいく仕上がりになったのではないでしょうか。是非ともVOLCONの正規ラインアップに並んでほしい一台ですね。