スペインはジローナに本社を置く、名門オフロードバイク・トライアルバイクメーカー「GASGAS(ガスガス)」。
90年代中盤は、トライアルで絶対的な強さを見せていた同社も、2015年に入り経営改善のための対策を打っていがこの度破産申請に至った。
ガスガスとは?
名門トライアルメーカー「ブルタコ」の元社員2人が中心となって立ち上げたガスガスは、1985年よりメーカーとして量産車の製造を開始した。
最初のエンデューロモデルの生産は1989年で、1994年にはポール・エドモンドソン選手によって世界選手権のタイトルを獲得。2000年代に入るとタイトルからは遠ざかってしまっていたものの、市場では根強いファンに支えられ、数々の名車を世に送り出していた。
2月以降の年間生産台数は約9,000台と極めて少なく、複数の株主間で対立などの問題が生じ、生産がストップしていた。
日本では2014年までアルプスヴァンが「GASGAS MOTO JP」として輸入販売を行っていたが、2014年11月より「MVアグスタジャパン」が「GASGAS ENDURO JAPAN」として受け継いでいる。
ガスガスの人気車種は?
ガスガスでは、数種類のモデルをラインナップしているが、中でも人気・注目度共に高いのは「RANDONNE(ランドネ)」であろう。
「RANDONNE(ランドネ)」とは、もともと登山用語で「トレッキング、ハイキング」の意味。ガツガツ山登りをするというよりも、気軽にトレッキングやハイキングができるようにというイメージであろう。
ランドネの特徴は、何と言っても見た目がトライアル車そのものということ。簡単に着脱可能なシートを取り外すと、もうそれはトライアル車である。トライアル車のライディング・スタイルは、基本的にスタンディングだが、普段使いでは疲れてしまう。これを改善し生まれたのがランドネである。
TX 125 RANDONNE (200 RANDONNE)
エンジン形式:空冷4ストローク単気筒
排気量:123,3cc (179,2cc)
始動方式:セル・キック併用
燃料タンク容量:4リットル
乾燥重量:86kg
全長×全幅×全高:2,110 x 827 x 1,120mm
メーカー希望小売価格:572,400円(626,400円) 共に税込
3000万ユーロ(約40億2,000万)の負債整理、ビジネス再建、利益化のための体質改善を行っていた最中の破産申請発表。ガスガスは元々ハスクバーナがKTMに販売した古いエンジンデザインをBMWから購入しており、これをもとに新しいモデルを開発していると予想されていただけに、非常に残念である。
最近の似た例だと「Buell」もそうだが、両社ともに、早期復活を願わずにはいられない。
なお、あくまでも本国スペインのメーカーが破産申請を行ったということで、日本の輸入販売総代理店に影響はない。
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参考 – GASGAS ENDURO JAPAN
画像 – Flickr : Matt Preston