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世界最古のポルシェ・タイプ64、70億円で落札されると思いきや…?

世界最古のポルシェ・タイプ64、70億円で落札されると思いきや…?

昨年、世界最古のポルシェとされるタイプ64がオークションに出品されたことで世界中にニュースとなり話題となりました。カー・オークション史上の最高値落札まで期待されましたが、なんと流札。ポルシェ・タイプ64がなぜ落札されなかったのでしょうか。

 

世界最古のポルシェ・タイプ64!予想落札価格は22億円

世界最古のポルシェ・タイプ64、70億円で落札されると思いきや…?

ビンテージ・カー・オークションの大手であるRMサザビーズは、2019年8月にポルシェのなかで最も古いモデル「ポルシェ・タイプ64」を競売にかけました。

タイプ64の競売がアナウンスされてから世界中のメディアが取り上げ、RMサザビーズは予想落札価格を2,000万ドル(22億円)とし、果たして誰が落札するのかオークション当日まで注目されていました。

しかし、オークションが始まるとRMサザビーズのミスにより流札。カー・オークション史上前代未聞の茶番劇で幕を下ろしました。

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ポルシェ・タイプ64とは

ヒトラーが依頼しポルシェが作った初代ビートル…1943年製「KdFタイプ60」を3分で学ぶ

ポルシェ・タイプ64はフォルクスワーゲン・タイプ1の元祖にあたる「KdFタイプ60」をベースに製作され、ポルシェ・365の先代モデルにあたります。

 

世界最古のポルシェ・タイプ64、70億円で落札されると思いきや…?

1939年9月に開催されるはずだったベルリン-ローマ・ラリー出場のため1939年8月にフェルディナント・ポルシェによって第一号車が作り出されますが、第二次世界大戦によりレースが中止に。その後2台目を息子のフェリー・ポルシェの手により制作され、その後、事故でダメージを負った1台目でしたが、そのフレームをベースに3台目が作り出されました。

 

第二次世界大戦により2台目は失われましたが、3台目だけは終戦まで米軍の基地内で放置されたままで生き残ったのです。

 

ポルシェの型番について掘り下げてみた!「911」について勘違いしてない?

フェリー・ポルシェはタイプ64をベースにポルシェ・365が開発され、365はポルシェ・911のベースとなるため、タイプ64があったからこそ今の911があるといっても過言ではありません。

 

入札開始から78億円までヒートアップ!それでも流札した原因とは

世界最古のポルシェ・タイプ64、70億円で落札されると思いきや…?

世界最古のポルシェが競売にかけられることで、オークション会場は活気にあふれていました。

 

11億円越えが5台出品!その最高峰で本命品がタイプ64

世界最古のポルシェ・タイプ64、70億円で落札されると思いきや…?

オークションは8月15日から17日までの間に189台が出品され、そのうち予想落札価格は100万ドル(約1億1,000万円)越えが49台、1,000万ドル(約11億1,000万円)越えが5台もラインナップされ、オークション開催期間で相当な金額が動くと予想され、その中でもタイプ64を目的とするビッダー(入札者)が多数でした。

 

入札額78憶円まで上昇!世界記録が見えてきた

世界最古のポルシェ・タイプ64、70億円で落札されると思いきや…?

オークション最終日は、誰もがタイプ64がいくらで落札されるか注目が集まる中、いざ入札が始まると激しい入札合戦が行われました。入札額はどんどん引きあがり7,000万ドル(78億円)まで上昇し、オークション史上世界記録の落札額が見えてきました。

 

聞き間違えで実際は1,700万ドルだった

世界最古のポルシェ・タイプ64、70億円で落札されると思いきや…?

しかし、入札が進むにつれRMサザビーズの痛恨のミスが発覚し、7,000万ドルが実際は1,700万ドルだったことが判明。

これは、スタート金額が「Thirty million(3,000万)」[発音:サーティ・ミリオン]ドルとアナウンスされたのが、本来「Thirteen million(1,300万)」[発音:サーティーン・ミリオン]ドルだったのです。

 

主催者側が予想した最高落札額が2,000万ドルだったのに、いきないスタート価格が3,000万ドルというのは明らかに変。

さらにミスが続き「Seventy million(7,000万)」[発音:セブンティ・ミリオン]ドルが、正しくは「Seventeen million(1,700万)」[発音:セブンティーン・ミリオン]ドルだったのです。

原因は電話入札で入札者の英語の発音が正しくなかったのか、スタッフが間違えて聞き取り、さらに表示担当のスタッフも伝えられた入札額をそのまま画面に映し出し、度重なるミスがありえない金額を表示してしまったのです。

 

これにはオークショニア(オークション司会進行役)にむけてブーイングが浴びせられ、呆れて会場を立ち去るビッダーも現れる始末。これにより、タイプ64は流札となったわけです。

英語ならではのトホホな事件ですね。

 

まとめ

世界最古のポルシェ・タイプ64、70億円で落札されると思いきや…?

RMサザビーズの手違いにより78億円は幻となり、カー・オークション史上最大の失態ともいえます。

RMサザビーズのサイトを見ると、タイプ64は「Estimate Available Upon Request(要求に応じて見積もり可能)」と書かれており、まだ誰の手にも渡っていません

もしこの記事をお読みの大富豪の方がいらっしゃれば、RMサザビーズへ問い合わせてみてはいかがでしょうか。

RM Sothby’s

1939 Porsche Type 64

Writer: 池田勇生

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