MVアグスタはイタリアンバイクの象徴であり、速さと美しさを両立したMVアグスタ製品は「走る宝石」なんて言われています。
ところが今年のミラノショーでMVアグスタは、もう一つ別の顔を見せてくれました。それが隠し玉のように発表した電動スクーター「AMPELIO」です。
MVアグスタ「AMPELIO」は1950年代のスクーターにインスパイア!?
コチラがミラノショー2022で世界初公開されたMVアグスタの電動スクーター「AMPELIO」です。電動スクーターはMVアグスタにとって新ジャンルへの参入となりますが、一目見て分かるようにクラシカル&エレガントに仕上げられています。
それには理由がありました。実はMVアグスタ1950年代にスクーターを生産していた過去があったのです。
右側のモデルがソレです。1950年代初頭のイタリア経済がまだ途上のころに庶民の移動手段となる製品としてスクーター(CGTとOvunque)を生産していました。今回のコンセプトモデルのインスピレーションはそこから得ているそうです。
MVアグスタ「AMPELIO」は台湾のKYMCO「S7」がベース!
このクラシカルかつエレガントなエクステリアを担当したデザイナーはロシア人デザイナーのマクシム・ポノマレフ氏。電動モーターサイクルデザインの第一人者である氏に委託しました。
その結果を見てMVアグスタのCEOがプロジェクトの進行を許可したそうです。
興味深いのは「AMPELIO」のコンポーネントです。なんと台湾の有力モーターサイクルメーカーであるKYMCOが生産している「S7」がベースであり、この「AMPELIO」は両車の協業により生み出されたのです。
KYMCOは高品質でありながらもリーズナブルな車両価格が世界的に高く評価されているメーカーです。その技術力をMVアグスタは協業に値すると判断したのでしょう。
最高速度は95km/hで航続距離155kmを誇りますからコミューターとしては充分に高性能モデルと言えます。「S7」は可搬式バッテリーを採用していますから集合住宅に居住するライダーにも受け入れられそうです。
「S7」の機能をベースにクラシカル&エレガントなエクステリアを与えられたMVアグスタ「AMPELIO」は、モーターの定格出力は4.1 kW、最高出力は7.2kW、バッテリーを含めた装備重量は121kgと発表されています。
まだ発売の有無も発表されていませんが、クラシカル&エレガント、そしてプレミアムな電動スクーターは市場に存在していません。ぜひ市販していただきたい魅力的なコンセプトモデルと言えましょう。
詳細が分かり次第、追って続報を掲載したいと思います!